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May 29, 2007

志半ばにして…

■ 昨日午前、愛知和男事務所に帰朝報告に出る。先週一週間は、実質休眠状態であったので、今週からエンジン始動である。

■ 昼前、かんべえ殿のオフィスに押しかける。フランス報告という建前だったが、「そもそも、双日総研とはどんななところよ」という野次馬根性が頭を擡げた結果である。
 かんべえ殿にお話したことは、色々である。
 フランス旅行は、「ただほど高いものはない」ものになりそうである。
 齢四十を過ぎてから、フランス語をやろうと思い始める。今まで、まったく「縁」の無かったフランス語である。
フランスから書籍を買ってきたのけえれども、それは読めなければ意味がない。一年や二年を取得に費やしたところで、その分を長生きしてフランス語の文献を参照できるようにすれば、政治学徒として思考の幅も広がるであろう。さしあたり以下のホームページの記事を読めるようにしたいものである。
 ● 『ル・フィガロ』
 ● 『ル・モンド』
 「壮にして学べば老いて衰えず」である。二十歳前後の受験生だった頃の「熱」を思い出せばいい。

■ 夕方近く、帰宅した時、松岡利勝農相が自殺したことを知る。衝撃は大きい。
 政治家の自殺ぐらい、雪斎には不愉快なものはない。それは、国家にとっては何の益もないことであるからである。
 松岡氏は、たとえば竹中平蔵氏が「小泉構造改革」を象徴する「表」人物であるとすれば、その「裏」人物であった。
 松岡氏は、典型的な「古い自民党」気質の人物であると思われたのであるけれども、何時の頃からか、「構造改革」党になった。それは、松岡氏が「構造改革」が日本の農業を壊滅させるのではなく飛躍させるものであると気付いたからであろう。この転向は、「構造改革」の文脈では大きかったと思う。松岡氏に限らず、官僚出身の政治家は、一つの政策志向さえ見極めることが出来れば、その後の政策展開をかなり精力的に行うものである。その点、松岡氏は、「攻めの農業」の展開の急先鋒だった。前回ののエントリーでも書いたけれども、「『ジャパン・ブランド』の食材が世界を席巻する日」を誰よりも夢見たのは、松岡氏であったような気がする。
 それにしても、日本の政治家は、政策論議以外に消費するエネルギーが多すぎる。松岡氏の自殺は、農業失政の責を負ったというよりは、自身の醜聞を気にした故のことであったようである。だから、いたたまれない。「有能で黒い政治家と「無能で白い政治家」どちらかを選べといわれれば、雪斎は、躊躇なく前者を選ぶべきであろうと思うのだが…。
 松岡氏のご冥福をお祈り申し上げます。

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「永田町の話」カテゴリの記事

Comments

松岡さんはほんとに生真面目な方だったんでしょうね。
むかし、テレビ討論で見かけた時は、典型的な抵抗勢力だなぁと思ったものですが、最近の活動を振り返るとほんとに前向きな改革派として転進しようとしていた様子も伺えて、もうしばらく頑張ってもらいたかった気もします。

過去関わったと思われる疑惑の報道に隠れて、そういった改革派となってからの活動が埋もれてしまい、イメージの転換がうまくいかなかったのは残念なことです。

また、大きく舵を切ったときそれまで乗っていた古い自民党的な流れが、ご本人にも予想できなかったような強い圧力となって返ってきたのでしょうね。
今報道されている程度の内容では、松岡さんが自殺までするとは思えないです。

何となく武部前幹事長と比べてしまいます。
武部さんも、かつては古い自民党的な政治家と思われていましたが、小泉政権下では改革の切り込み隊長として活躍されました。
同じく、生真面目で武闘派的な印象があり、結構野党の追及も受けていましたが、なんか明るく豪放なキャラクターで荒波を乗り切っていったのと対照的であるなぁと。

松岡さんはそういうキャラクターじゃなかったのが、なんだか悲劇的でもあります。

汚職は確かに厳しく律するべきとは思いますが、政治家に清廉さを求めすぎる国民、そしてあたかも自分たちは聖人であるかごとく、それを断罪する事に血道を上げる野党というのもいきすぎですよね。

ほどほどに、”ねずみを取る猫が良い猫(黒猫でも)”と思えるようになりたいものです。

Posted by: horten | May 29, 2007 at 10:58 AM

>松岡さんはそういうキャラクターじゃなかったのが、なんだか悲劇的でもあります。

 新井将敬氏の自殺の時も感じましたが、武部氏は党人系、松岡さんは官僚系、乱暴ですが、この違いなんじゃないのかな、と感じます。

 松岡さんは鈴木宗男氏とワンセットのイメージがあまりにも強かったのが最後まで尾を引いたですね。実刑判決の後議員として再出発できた宗男氏とも(そういやこの人も非官僚だ)対象的で、まことに残念な結末になってしまいました・・・。
 

Posted by: さのよいよい | May 29, 2007 at 06:32 PM

ただ官僚と言っても、松岡氏は鳥取大出身のノンキャリ組なので、帝大出の威風堂々たる超エリートとは若干違いますよね。
また、過去に自殺された中川一郎氏、そして新井将敬氏などを思い起こしても、官僚出でありながら(ちなみに中川氏は九大→農林省→北海道庁出向)、それぞれ所謂官僚的な官僚とはちょっと外れた存在だったように思います。そういう点で何か必要以上に無理をするところがあったのではないか・・・というような印象を受けます。

Posted by: who | May 29, 2007 at 11:52 PM

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