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March 08, 2007

充電の時期

■ 最近は、政治観察にも、「熱」が冷めているところがある。こういう時期は、雪斎にも、しばしば訪れる。『産経新聞』「正論」欄原稿には、今年に入ってから一編も寄稿していない。今は、雑誌『論座』に寄せる原稿が残っているだけである。一時期に比べれば、「生産量」は格段に落ちている。ということで、昨日に続き、「非政治的な」エントリーである。.

 ● 今月、スカイ・パーフェクト・テレビの「日本映画チャンネル」では、映画『西陣心中』(監督/高林陽一 出演 島村佳江、光田昌弘、土屋嘉男、楠侑子 公開/1977年)という映画が放映されていた。思わず、「待っていました…」とばかり飛びついて観てしまった。というのも、この映画に主演していた島村佳江さんという女優には、十代半ばの頃の雪斎は、かなり惹かれていたからである。あらためて調べてみると、島村さんは、1956年生まれだから、この映画を撮影していた頃は、まだ20歳前後であった。現在、20歳前後の女優と来れば、宮崎あおいさんとか上戸彩さん辺りになるのであろう。だが、島村さんの雰囲気というのは、どうみても今でいう30歳前後の雰囲気である。この三十年の間に、「日本の女」の顔も、すっかり変わってしまったような気がする。
 しかし、それにしても、この映画の中の島村さんは、「うつくしいひと」である。島村さんは、前年公開の高林陽一監督作品『金閣寺』にも、出演していた。幼少の頃の「うつくしいひと」の印象は、中々、消えないものである。

 

 ● 「従軍慰安婦」問題でいえば、「慰安婦に相手にしてもらった兵士」の証言が残っていないのは、何故であろうか。「慰安所」というのが、どういう場所だったのか。これが判らない。だから、この問題も、「善」と「悪」の道徳論が先行することになる。雪斎は、「広義の強制」、「狭義の強制」を分ける意味が判らない。たとえば、戦時中、前線から「兵糧・弾薬を送れ」というのと同じ風情で「女を送れ」という指示が来たら、朝鮮半島を含む国内の「遊郭」業者は、その指示に抗うことができたであろか。これは、「強制」といえば確かに「強制」である。だが、徴兵制度の下で戦地に送られた「男」の運命も、見方によれば「強制」ではないのか。韓国人「従軍慰安婦」に比べれば人数としては圧倒的に多かったはずの日本人「慰安婦」の事情は、どうなっていたのか。
 加えて、昔、読んだ書の中に、「学徒出陣の日の雰囲気は暗かった」という趣旨の記述を見たことがある。往時の日本人の中では、どれだけの層が、眼の前の戦争の「正当性」を信じることができたのか。
 このように、基本的な「事実」として諒解されていない事柄が、あまりにも多すぎる。まだ、政治家や政治活動家の出る幕ではないと思うのであるけれども…。

 ● このブログも、もしかしたら、数十年後には、「平成の雰囲気」を知る資料として使われることがあるのかもしれない。表の活字メディアに発表する論稿とは異なり、これは、「日記」の体裁に近いものであるから、その時々に感じたことがストレートに反映されるのである。もちろん、それは、雪斎が名を成せればの話である。ただし、そういう心持ちでブログで様々なエントリーを書くという感覚は、大事であろう。
 その点、政治家のブログというのも、時代の証言としては、大事なのかもしれない。

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Comments

いっそこういう論法は成り立たないものでしょうか?

日本は戦争行為として自国内(内鮮は一体の筈です)で娘狩りなどしたことがないが、「娘を売らねばならないほど貧しかった」ことをやるせなく思うのなら、振り上げたこぶしは黙って受けてやろう。それが「治者の徳」であり、こぶしをあげ続けるかぎり、その相手は徳に浴したいと願う被治者であることを宣言しているに他ならない。

そうとう逆立ちした論理かもしれませんが、案外、情の面においてのこういう論理が「広義の強制」「狭義の強制」という考え方を生んだのかもしれない、という気もします。

Posted by: KU | March 08, 2007 at 06:36 AM

島村佳江さんは私も憧れの女優さんでした。80年代にはサスペンス物の悪女役、薄幸なヒロイン役などでよく見かけましたが、「クール・ビューティー」という言葉がぴったりの、大人の女性の魅力を感じさせてくれる方でした。確か劇団「昴」の団員だったと思いますが、今どうしているのでしょうか。。。またお姿を拝見したいものです。
では。

Posted by: who | March 08, 2007 at 09:30 PM

ku殿
それは、結構。トリッキーな…。
ただし、面白いので、もう少し考えることにしましょう。

who殿
同じように感じている方がいると知り、かなりうれしいです。往時の島村さんに近い雰囲気を持つ女優を今に探すとすれば、誰になるのかなと思います。

Posted by: 雪斎 | March 08, 2007 at 11:12 PM

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