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March 28, 2007

渡部さんの新著

■ 渡部恒雄さんが『今のアメリカ」がわかる本』(三笠書房 知的生きかた文庫)という新著を公刊した。
  「2008年」に向けたアメリカの動きを考える上では、便利な書になると思われる。
  書のトーンは、ジョージ・W・ブッシュには、かなり厳しい。
  印象深かったのは、渡部さんが知人の「ネオコン」評として、「バイアグラを飲んだウィルソン主義者」の言葉を紹介していたことである。自己の大義の正しさを疑わない理想主義を特色とするウッドロー・ウィルソン以来の対外姿勢が、「バイアグラ」のような即席的な体裁で補強されたのが、「ネオコン」の実像であったという趣旨である。
  それならば、ウィルソン流の理想主義が「クルセイディズム」(crusadism,十字軍主義)が呼ばれていたことを考えれば、「ネオコン」は、「十字軍の徒」であったといえるのであろう。
  渡部さんは、そうした「十字軍」的精神を反映した「ネオコン」に最も批判的であったのは、国内「リベラル」勢力というよりは、先代ジョージH・W・ブッシュを支えたブレント・スコウクロフトに代表される「中道・現実主義者」層であったことを指摘する。
 …とここまで書いて、雪斎は想像する。
 安倍晋三総理の執政が2006年ではなく2001年頃に始まっていたら、どうなっていたのか。第一期政権時のジョージ・W・ブッシュが、その「ネオコン」的論理の最初のターゲットにしたのが、イラクではなく北朝鮮であったならば、その後の世界はどうなっていたのか。時代の巡り合わせは、確かに「ネオコン」的論理の暴走に歯止めをかけてきたことであろうか。

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