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December 02, 2006

パーティの日々

■ 雪斎は、パーティに頻繁に顔を出す。特に十二月は、かなりの回数がある。
 雪斎が、パーティに出れば、やることは決まっている。先ず、パーティ・コンパニオンのお姉さんたちを捕まえて、食事の世話をしてもらうのである。「私の口にその料理を放り込んで下さい。何も考えないでね…」。声をかけられたお姉さんたちは、大体は戸惑った表情を見せるけれども、雪斎が著名なお歴々と平気で談笑する「名士」であると判れば、異様に丁寧な扱いになる。「そこまで丁寧にしなくとも…」と思う。
 昨日も夕方以降は、文藝春秋社主催の「忘年会」パーティに加わる。ホテル・オークラで毎年、やっているパーティである。辻井喬(堤清二)、猪瀬直樹、櫻井よしこ、大宅暎子といった各氏が来ていた。辻井、櫻井両氏と話をして、一時間で撤退する。やはり、久兵衛の寿司は旨かったな…。

■ ということで、雪斎は、日常生活の様々な局面で他人の手を借りている。
 ところで、障害者の日常生活の文脈で語られるのは、昨年の今頃に国会審議の最中であった障害者自立支援法の意味である。
 この法律が今でも批判にさらされているのは、「応益負担」という考え方を導入したためである。
 これまでの制度では、「応能負担」という考え方に沿っていた。多くの障害者は、負担能力を持たないとされた故に、介護サーヴィスに関わる費用は実質上、無料であった。法律制定以降、利用者がサービス量と所得に応じて支払う「応益負担」に改めた故に、負担が増えるようになったわけである。具体的には、サービス利用量に応じて、定率1割負担を導入した。生活保護世帯は負担ゼロ、市町村民税非課税世帯は所得に応じて15000円~24600円、一般は40200円と上限が決められている。雪斎は、この法律に基づくサーヴィスを受けていないけれども、利用するとすれば、月額40000円を上限としたサーヴィスを受けることになるのであろう。
 ただし、この上限40000円という負担のレベルの意味は、それぞれの人々によって違う。雪斎ならば、40000円は案外、楽に払えるレベルである。たとえば新聞や雑誌にコラムを一編書けば、その原稿料で釣りが来る。
 雪斎は、おそらくは障害者自立支援法から最も恩恵を受ける層に入るであろう。上限40000円を負担すれば、理屈上は二十四時間、無制限で世話をしてもらえるのだから…。この法律は、発想上、米国のスタイルと似ている。米国では、州によって異なるものの 負担率はニューヨーク州では3、4割であったと記憶する。だから、米国では、障害者といえども、必死になって銭を稼がなければばならないのである。昔、聞いた話がある。あるニューヨーク在住の車椅子の男性は、二十四時間介護を要する身であるけれども、とある会社の辣腕マネージャーだそうである。部下に指示を下す判断力さえ持っていれば、全般的な身体障害などは問題ではないのである。米国企業のマネージャー・クラスであれば、年棒で数千万から億単位になるのだから、介護に関わる経費は然程の負担にもならないわけである。そのマネージャーは、「自分の彼女には介護をさせない。雇った人物にさせればいい」と語っている。故に、日本でも、一定以上の収入を得ている障害者にしてみれば、障害者自立支援法は、文字通りの「自立支援」のための法律になる。
 これが障害者自立支援法の語れざる「裏」の性格である。この法律それ自体は、「よき趣旨」を持った法律であるけれども、それ以外の条件がそろっていない。障害者自立支援法は、「銭を稼げない障害者」には厳しいかもしれないけれども、「銭を稼げる障害者」には、「いい法律」である。この意味が理解されていない。

■ 一昨日のエントリーで「俺はミリオネアになってみたい」と書いてみたら、「結局、どこまで到達しているの…」という突っ込みが入った。具体的な水準は、「個人情報」に属するので書かない。けれども、「未だ見ぬミリオネアの島には着々、近付いているはずだ」とは書けるであろう。方向は間違っていないのだから、何れは到達できるであろうと確信している。その確信こそが、大事であろうと思っている。
 今週、雪斎保有の鉄鋼株は、15パーセント騰がった。中間配当も、昨日、入った。ここまでは思惑通りに行っているけれども、今後は慎重に観る必要がある。「ミリオネアの島」の島影を早く見たいものである。インド到達を信じて大西洋を西に船出したクリストファー・コロンブスの心境も、そういうものであったろう。

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Comments

前衆議院議員、徳洲会総帥の徳田虎雄氏が、進行性の筋肉疾患である筋萎縮性側索硬化症(ALS)に罹患している事を告白しました。ALSは歩行困難どころか呼吸筋が痲痺して、人工呼吸器をつけなければ息も出来なくなる病気です。
徳田氏はすでに車椅子、人工呼吸器の生活のようです。
徳洲会の関係者によると、その状態で(筆談で)指示を出し続け、幹部の反対を押し切ってブルガリア徳洲会病院の建設にこぎ着けたそうです(余談ですが、ブルガリアの病院について、彼地では大評判になっているそうですが、そういうことが日本には全然伝わってこないのが不思議です。ブルガリア出身の力士が、感謝の気持ちで、四股名を徳洲会の「洲」に変えた、という噂があるほどなのに)。
考えてみれば、徳洲会なら医者・看護婦は売るほどいるでしょう。
恐るべき意思の力というべきか。

Posted by: jargons | December 02, 2006 at 07:02 AM

そうですか。トクダトラオはALSですか。
以前ちょっとした縁があって、以来徳州会の広報誌が毎週送られてくるんですが、ここ数年新設の徳州会病院で、ALS患者の受け入れを増やしてたんですよ。ALSがらみの記事も多かったし。
関東の病院を追い出されたALSの患者を山形の病院が引き取ったりとか、地方の病院で寝たきりのALS患者が東京の娘とテレビ電話で交流する記事とか。
何だろうなあ、と思ってたら、そうですが、ボスががALSでしたか。
トクダトラオならまさに銭を稼げる障害者ですね。

Posted by: nervenarzt | December 02, 2006 at 12:48 PM

いつもブログ興味深く拝見しております。
パーティーが多くお忙しそうですね。

さて、今回「障害者自立支援法」についての雪斎さんより具体的なお話をうかがいさせていただき、ありがとうございます。私自身、一方的に「受益者負担」の部分を過大に捕らえていたので、見方を修正する必要があると感じております。

また、<この法律それ自体は、「よき趣旨」を持った法律であるけれども、それ以外の条件がそろっていない。
についても機会がありましたら、お教えください。

雪斎さんが財テクをしているとは、驚きでしたが、思い出してみても著名な学者の方で昔は「本多静六」博士や現代でも渡部昇一先生も財テクで成功されているようです。やはり財テクで成功するのにも法則があるように感じました。「ミリオネアの島影」が見えてきたら、そのあたりのコツもエントリーしていただけるとありがたいです。

Posted by: MAKO | December 02, 2006 at 11:42 PM

 雪斎殿も文春忘年会参加者ですか。文春の忘年会は、昭和40年代までは熱海の旅館でやってました。中止になったかと思ってましたら今はホテル・オークラですか。忘年会といえば文春新書で「忘年会」という本が出ました。一読しましたが、きちんとした日本文化史になってましたので、その方面に興味のある方にはお勧めです。

Posted by: M.N.生 | December 04, 2006 at 09:20 AM

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