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November 17, 2006

ミルトン・フリードマンの死去

■ 若き日の雪斎が影響を受けた人物が、また世を去った。

□ 米国の経済学者ミルトン・フリードマン氏死去
 【ロサンゼルス支局】AP通信によると、米国を代表する経済学者ミルトン・フリードマン氏が16日、サンフランシスコで死去した。94歳だった。
 フリードマン氏は、財政政策よりも通貨供給量の調整を重視する「マネタリズム」を提唱。自由主義、規制緩和に基づく市場経済原理の徹底を説き、レーガン大統領の経済政策レーガノミックスの理論的支柱ともなった。1976年にノーベル経済学賞を受賞した。

 フリードマンの議論が世の反響を呼んでいたのは、1980年代の半ば頃である。フリードマンは、フリードリッヒ・フォン・ハイエクと並んで、ロナルド・レーガン、マーガレット・サッチャー、中曽根康弘が同時並行で進めた「新自由主義改革」の理論上の枠組を与えた人物として認識されていたはずである。フリードマンの議論の中でも雪斎に強い印象を与えたのは、その「福祉国家」批判である。『選択の自由―自立社会への挑戦』(日本経済新聞社)を読んだ時には、かなりの衝撃を覚えたものであった。雪斎の最初の著作『福祉の呪縛』もまた、『選択の自由』を読んだことがなかったならば、書き得なかった書である。
 そういえば、昨年の今の時期に、ピーター・ドラッカーも鬼籍に入った。95歳であったはずである。90歳を過ぎても、活躍の場があるというのは、「学者」という職業の持つ魅力の最たるものである。精進と養生に努めなければならない。

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Comments

フリードマンはそれまでケインズ主義が主流で財政政策に偏っていた経済政策において、金融政策の重要性を訴えた人だという気がします。
だから「小さな政府」論と通貨供給量の調整を重視するマネタリズムは対になる考え方ではないでしょうか?
今の日本では「小さな政府」論は概ねコンセンサスを得ていますが、それと対になるべき通貨供給量の調整を重視する金融政策がまともに行われていないので、おかしな経済状態が続いているのでしょうね。

Posted by: Baatarism | November 17, 2006 at 12:36 PM

私は学生のころ、典型的理科系学生としてささやかな社会科学への関心と読書でしたが、「新しい産業国家」からガルブレイスに親しみ、以後「豊かな社会」「The Nature of Poverty」など一連の著作を読んでいました。社会人となり「Free to Choice」を英語の勉強兼ねてペリカンブックスで読んで、やはりいささかの衝撃を受けたことを思い出します。

Posted by: 珈琲 | November 17, 2006 at 02:37 PM

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