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November 29, 2006

内閣支持率40%の「防衛線」

■ 「ああ、やっちゃったのね」。これ以外に、どのような言葉を考え付くであろうか。
 

□ 「選挙で反対と言ってない」=造反4氏が苦しい弁明-自民復党
 郵政民営化造反組の堀内光雄元自民党総務会長ら無所属議員4氏は28日午前、衆院議員会館で記者会見し、自民党に復党願を提出した経緯などを説明した。堀内氏は「昨年の選挙戦でも民営化反対とは一言も言ってなかった」と弁明。山口俊一氏も「民営化ではなく、法案に問題があると言ってきた」などと苦しい釈明に追われた。
 同日の記者会見は、安倍晋三首相(党総裁)が復党希望者に対して公の場で自らの立場を説明するよう求めたことを受けたもので、堀内、山口両氏のほか、古屋圭司、森山裕各氏が出席した。 
(時事通信) - 11月28日13時0分

 次の各紙世論調査で発表される内閣支持率は、間違いなく急降下するであろうけれども、雪斎の今の関心は、「どこまで落ちるか」という点に移りつつある。一つの目安は、「40%」である。「40%」というのは、小泉内閣支持率の「下値抵抗ライン」であるl。メディアの違いはあれ、この「40%」の支持層が「小泉執政」のコアな支持層であった。これを維持できるかは、「安倍執政」の性格を展望する上では、大事になるであろう。
 

 この「40%」の線で踏みとどまるまるならば、安倍総理の次の「反転」の可能性は残されている。安倍総理にしてみれば、20%近い支持率下落に眼をつぶっても参議院側の意向を尊重したのだから、青木・片山両氏に相当な「貸し」を作ったということになるであろう。安倍総理は、その「貸し」によって参議院を黙らせることが出来れば、今後の政治運営に主導権を発揮できるであろう。「内閣支持率20%降下という事態を招いた「落とし前」を付けるのは、参議院側である。安倍総理が参議院側に対する優位を維持しながら政権を維持し、政策課題を次々に処理していけば、支持率は50%台を安定的に推移するであろう。
 しかし、「40%」の線を割り込むならば、安倍晋三内閣の前途は、かなり険しいものになるであろう。内閣支持率40%割れというのは、完全に「小泉以前」に戻るということを意味するからである。世人は、来年の参議院選挙のことを注視するかもしれないけれども、もう二、三年後の衆議院選挙のことを考える時期が近付いている。その次期衆議院選挙では、安倍内閣が20%、30%台の支持率に落ちていたら、かなり厳しい選挙を強いられることになるであろう。
 各紙世論調査の伝える支持率の値を確認する。

 11月12日 読売 65% -5%
         朝日 53% -10%
     26日 毎日 53% -14%
         日経 59% -9%
 
 此度の選択は、安倍総理にとっては、参議院側を納得させるために。支持率を「抵当」に入れたものである。民主主義体制下では、かなり怖い選択をしたものだと思う。ましてや、支持率の高さが、安倍総裁選出の主な要因であったことを考えれば、なおさらである。
 雪斎は、安倍内閣に最も辛い値を出すであろう「朝日」が、どのような値を出してくるかを注目している。12日時点で53%である。現在の情勢からすると、「40%」を割り込んだ値を「朝日」が出してきても、不思議ではないような気がする。「朝日」の値といぅのは、かなり世界に紹介されることがあるから、この支持率降下が伝えられた際の国際的な影響も、考慮しなければならない。民主主義社会における「統治」に際しては、「支持率」は眞に重要な指標である。これを抵当に入れた選択が、功を奏するかは定かではない。

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Comments

去年は、参議院で郵政法案が否決されて衆議院総選挙となり、いま又、来年の参議院選挙のために、衆議院議員の復党問題で大揺れ。日本での参院と衆院の、立場、役割、位置づけのあいまいさで政治が振り回されるのはなんとかならんもんですかな。英国や、米国の政治でこんなことが考えられますか?安倍総理は憲法改正を自政権の最大課題と考えられておられるようですが、参院をどうするか? まあ、今回のごたごたを見たら、参院に手をつけるのは無理か。

Posted by: M.N.生 | November 29, 2006 at 10:24 AM

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