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November 26, 2006

山口百恵の世界

■ 休日の徒然に、山口百恵さんのアルバム 『GOLDEN☆BEST/PLAYBACK MOMOE part2』を聞く。雪斎が小学生くらいの頃、初めて親に買ってもらったEP盤のレコードは、百恵さんのものだった。今の四十歳代の多くは、百恵さんの「洗礼」を受けているのであろう。あらためて聞いてみると、百恵さんの歌は、完全な「古典」になっているのだと実感する。「古典」というのは、何時でも聴く価値を持つという意味である。
 このアルバムは、百恵さんの歌から34曲を収録したものであるけれども、総てがそれぞれの趣を持っている。その多面性が、たった一人のアーティストによって演じられているのだから、凄いことだといわなければならない。
 最初期の「としごろ」、 「青い果実」、「禁じられた遊び」 、「春風のいたずら」辺りは、完全なアイドルとしての歌い方なのかもしれないけれども、.早くも二年目以降に出た「ひと夏の経験」、「冬の色」辺りから雰囲気が変わって来る。宇崎・阿木夫妻と組んでからは、もう大人のアーティストとしての歌い方である。百恵さんの活動期間は、僅かに七年である。誠に濃密な時間である。
 おそらく、百恵さんの存在は、米国政治史におけるジョン・F・ケネディの位置付けに近いのかもしれない。政治家としてのケネディが傑出した存在であったかといえば、そうとはいえないように、百恵さんも、絶世の美女というわけでもなく傑出した歌唱能力を持っていたというわけでもないのであろう。にもかかわらず、米国市民の多くがケネディを忘れられないのと同じように、百恵さんも忘れ難い印象を残している。
 百恵さんの引退は、1980年である。百恵さんは、日本が戦後の「坂の上の雲」の物語を完結させる手前で、表舞台から去ったことになる。そういえば、ケネディにも、「二期目」の執政はなかった。「落ち目」、「レームダック」とは無縁でいられた才能は、やはり稀有だったということであろうか。

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Comments

山口百恵は、私と「社会人の同期スタート」です。日ごろ歌謡曲のCDをめったに購入しないが、彼女の引退時なにげなく一枚のCDを買い、忘れていました。十数年経って、中学生だった娘がそれを見つけ、何度も繰り返して聴き、とてもいい歌だと言いました。改めて聴くと、魅力を再発見しました。

Posted by: 珈琲 | November 26, 2006 at 09:21 AM

「古典」の価値というのは、何時聞いても斬新さが失われていないところにもあるかと思います。
私の好きな曲のひとつに「美・サイレント」がありますが、この中の「○○○○」や「××××」といった歌詞であるようなないようなものは、この他に類を見ません。この節を聴く度に、例えようのない身震いを起こしてしまいます。。。

Posted by: ・・・みたいな。 | November 26, 2006 at 11:46 PM

雪斎さん

こんにちは。
私は、百恵さん引退とほぼ、生まれが同じなので、百恵さんの生の歌、映像を見たことがありません。もちろん、TVでプレイバックは、見たことがありますが。当時のアイドル全盛時代(?)、百恵さんは、どういう位置づけだったのか興味があります。

CDショップで探してきます。
・・・みたいな。さんが仰る通り、古典とは、いつ聞いてもいいものです。

TBさせて頂きました。すいません。

Posted by: forrestal | November 27, 2006 at 12:13 PM

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