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August 10, 2006

二階派の政策提言

■ 二階俊博経済産業大臣を中心とするグループの政策提言が出された。最もまとまった記事を書いているのが、ロイター通信なので、これを紹介しよう。

□ 消費税は福祉目的税化を視野に税率など議論=自民・二階グループの政策提言
 [東京 8日 ロイター] 自民党の二階グループ(会長・二階経済産業相)は8日、9月の総裁選に向けて政策を取りまとめた。このうち消費税については福祉目的税化することを視野に入れ、今後、税率や引き上げ時期を議論していくことを明記。アジア外交に関しては、アジア諸国との間に築いてきた信頼関係のうえに、友好・共存関係を深めることが重要とした。
 消費税に関しては、行財政改革のなかで「2011年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を均衡させ、その後も債務残高対GDP比を安定的に引き下げる」とし、歳入改革のうち消費税の今後のあり方について「福祉目的税化を視野に適用税率・導入時期などについて、国民的議論を一層深め、国民的合意のうえに決定する」としている。
 また「少子高齢化への対応や国際競争力の強化の視点から所得税、法人税などの税体系を見直す」とした。社会保障制度改革に関しては、基礎年金の国庫負担割合が2009年度までに2分の1に引き上げられることに対応し、消費税などの安定的な財源を確保する、との考えだ。
 一方、外交に関しては、喫緊の課題として、総裁直属の機関として「外交戦略推進会議」(仮称)を設置し、全方位の政治的、総合的、中長期的外交戦略の立案にあたる体制を早急に整備することの重要性を強調。
 このうちアジア外交については「アジア諸国の一員であるとの自覚をもち、ASEAN(東南アジア諸国連合)をはじめアジア諸国との間に築いてきた信頼関係のうえに、友好・共存関係を深める」とした。また、中国や韓国との歴史認識の相違に関しては「第三者を含む専門機関による研究を促し、相互の理解と信頼を深め、近隣諸国との政治関係の安定化に努める」との表現にとどめ、靖国参拝に関しては言及を避けた。
 これらのほか、「常に挑戦できる社会の構築」や「地域の活力を生かす社会の構築」なども盛り込まれた。前者は安倍官房長官が掲げる「再チャレンジ推進」に近く、後者は谷垣財務相が提唱する「地方の活性化」に通じる。  二階氏は、総裁選で誰を支持するかなどの対応については明言を避け、「候補者が出そろっていない段階で申し上げるのは僭越だ。一定の結論に達したら適当な時期に発表する」と述べるにとどめた。
 

 全国紙各紙は、二階派の政策提言を受けて、「二階派は安倍支持を決めた」と報じている。雪斎は、「誰もまだ何も言っていないだろう」と突っ込みを入れたくなる。確か、この政策提言案の策定作業は、今年始め頃から始まっていたはずである。だから、二階派の提言は、決して「付け焼き刃」のものではない。随分と時間お手間を掛けた文書になったものである。
 新聞は全然、報じていないけれども、この二十数項目に渉る政策提言には、「『食育』施策の推進」という一項もある。やはり、料理研究家・藤野真紀子議員も名を連ねるグループの文書である。こういう一項があるから、政策文書も無機的にならずに済む。
 ということで、二階派の政策文書は、「イデオロギー抜き」の文書になった。
 もう一つ、ロイターの記事である、
 

□ 〔永田町ウォッチャー〕9月のデフレ脱却宣言に現実味、小泉政権の有終の美飾る
 小泉首相退陣を来月に控え、9月中のデフレ脱却宣言が現実味を増してきた。政府・与党内では日銀による利上げの影響を見たいとする慎重論などから、8月の脱却宣言は見送られたが、次回9月の月例経済報告で実現すれば、「脱・デフレ」を目標としてきた小泉政権の「有終の美」を飾ることになる。
 二階経済産業相は9日、都内で開かれた派閥のパーティーで「まぎれもなく景気は回復している。ほぼデフレ脱却を宣言できるところまできた」と述べた。自民党関係者によると、8日の月例経済報告等に関する関係閣僚会議では、出席閣僚からデフレ脱却宣言をしてもいいのではないかとの意見が出されたが、日銀のゼロ金利政策解除を背景とした金利上昇の影響をみる必要があるとの慎重論もあり、見送りとなった。
 実際、与謝野担当相は、8日の経済関係閣僚会議で「私自身としてはデフレからすでに脱却していると考えているが、内閣府のマクロ経済専門家の意見は、なお慎重に物事を判断していくということ」と発言。経済・物価情勢に関し、内閣府は7月月例経済報告において本文から「デフレ」の表現を削除したが、デフレからの脱却は明確にしていない。8月も、そうした判断を据え置いている。
 個人的な考えとしながらも、デフレ脱却に言及したことについて与謝野担当相は「経済が縮小均衡に陥るような古典的な意味でのデフレの危険性は去ったと認識している。ただ「(脱却)宣言はしていない。客観的な数字を見ていただいて判断してほしいということ」と述べるにとどめた。
 9月の月例経済報告に関する関係閣僚会議の日程は未定だが、「(総裁選が実施される)20日の後に開かれるとは考えにくい」(政府関係者)という。小泉首相と安倍官房長官は、小泉首相在任中のデフレ脱却宣言にはこだわらないとの姿勢を示していたが、新たな首相が誕生する29日までにはデフレ脱却が宣言される、との見方が固まりつつある。

 なるほど、来月の「月例経済報告」で「デフレ脱却」が宣言されれば、それが小泉純一郎内閣の「有終の美」ということになるのであろう。どこまでもドラマティックな内閣である。
 昨日の日経平均株価は、前場で二〇〇円下げ、午後二時以降に急騰して一九〇円騰げで引けた。振幅が四〇〇円とは荒っぽい相場である。

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