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July 06, 2006

北朝鮮のミサイル、それがどうした。

■ 昨日未明、ドイツ―イタリア戦を横目に作業中、北朝鮮ミサイル発射の報が飛び込んできた。雪斎の最初の反応は、「ああ、今頃、撃って来おった…」であった。それにしても、派手に撃ってくれたものである。現在のところ、撃ったミサイルは、失敗したテポドンⅡを含む七発のようである。どう見ても、、最初のテポドンⅡを含む三発はともかく、後の四発は「無駄弾」であろう。
 さて、ミサイル発射が実際に行われたのであるから、カードを切る番は、日本のほうに回ってきた。切れるカードは、意外にも数多くある。出来るだけ日本にとってコストの少ないカードで、いかに大きなパフォーマンスを上げるか肝要である。「共同」が伝えている。 
 

□ 政府の「当面の対応」要旨
 北朝鮮のミサイル発射を受け政府が発表した「当面の対応」要旨は次の通り。
 【対北朝鮮措置】
 一、北朝鮮側に厳重抗議しミサイルの開発中止、廃棄、輸出停止を求める。
 一、万景峰92の入港を禁止。
 一、北朝鮮当局の職員の入国は原則として認めず、その他の北朝鮮からの入国についても、審査をより厳格に行う。北朝鮮船籍の船舶がわが国に入港する場合、乗員らの上陸は、原則として認めない。
 一、在日の北朝鮮当局の職員による北朝鮮を渡航先とした再入国は原則として認めない。
 一、わが国の国家公務員の渡航を原則として見合わせ、わが国からの北朝鮮への渡航自粛を要請する。
 一、わが国と北朝鮮との航空チャーター便については、わが国への乗り入れを認めない。
 一、北朝鮮の今後の動向を見つつ、さらなる措置を検討する。
 【国際社会における連携】
 一、国連安全保障理事会などでしかるべき対処がなされるよう働き掛けを行う。
 一、6カ国協議関係国間の協議、主要国首脳会議(サンクトペテルブルク・サミット)などあらゆる機会を活用し、調整・情報交換を行う。

 実に順当な対応である。万景峰92の入港禁止措置は既に発動された。「早々に単独での経済制裁を」という声が上がっているのは予想された展開であるけれども、現時点は、そうしたカードを切る段階ではない。早速、「時事」が伝えている。
 

□ 北ミサイル発射は「深刻」=安保理協議で各国一致-日米、対北決議提示へ
 【ニューヨーク5日時事】国連安保理は5日午前(日本時間同日深夜)、非公開協議を行い、北朝鮮が長距離弾道ミサイル「テポドン2号」などミサイル7発を発射した事態について討議した。各国は事態は「深刻」であり、安保理で迅速な意思表示をする必要があるとの認識で一致した。
 ミサイル発射を「国際社会の平和への脅威」と受け止める日米両国は、対北朝鮮決議案を同日午後(同6日早朝)に行われる専門家会合で非公式に提示する。決議案には、北朝鮮への非難に加え、ミサイル開発に転用される恐れのある資金や技術の提供停止など、一部制裁事項が盛り込まれる可能性がある。
 
 国際社会に、「ああ、やりやがった」という感情が残っているうちに、こうした決議を通しておく必要がある。イラク戦争の折には、開戦の大義とされた大量破壊兵器の所在は確認されなかったけれども、北朝鮮には、明白にそれがある。北朝鮮が大量破壊兵器拡散の「震源地」になっている事実を確認し、その脅威が日米両国ではなく人類全体に及んでいることを鮮明に打ち出せばよろしいのである。
 此度のミサイル発射は、特に中韓両国の外交敗北を強く示唆することになった。中国の対朝影響力が、それほどのものでもなさそうであるという事実は露わになったし、韓国でも盧武鉉主導の対朝宥和策の破綻は明らかである。今後、中韓両国が北朝鮮との「特殊な関係」を事由とした「抜け駆け支援」に走らないようにするためにも、
前に触れた国連安保理での決議案の採択は、誠に大事な外交ステップである。「北朝鮮は問題であるけれども、その北朝鮮を陰に陽に支援する国々も問題である」という合意を作っておく必要があるのである。
 それにしても、マス・メディアは騒ぎ過ぎである。今、進行しているのは、「慕悪者、猶宵之蟲之赴明燭」(悪を慕う者、宵の虫の明燭に赴くがごとし)の事例でしかない。別段、騒ぐほどのものでもないのである。

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Comments

拉致被害者という「人質」がいる以上、経済制裁が段階的なものになるのは、当然だと思います。
そしてミサイル発射という切り札を、相手に先に切らせたことも、日本側に有利であると思います。むしろ日本政府は、めぐみさんの偽遺骨発覚から「対話をしないことが圧力」という姿勢で、相手が先にキレるのを、待っていたような気がします。まあ、後から振り返れば、全部判ることでしょうが。

先軍政治といいつつ、実際に戦争を指揮したことのない、政敵は親の七光りあってこそ潰して来れたお坊ちゃま育ちの金正日と、就任以来戦争続きのブッシュ大統領、「郵政総選挙モード」にスイッチが入ると手が付けられない小泉首相、一番初めに脱落するのは誰か、もう自明かと思われます。
しかし小泉首相は、まだ昨夏の選挙の顔ではないですね。あれが去年みたいに変わると、容赦ない「残忍」な結果が出るのでしょう。
連投、失礼しました。

Posted by: るびい | July 06, 2006 at 06:33 AM

確かにメディアは騒ぎすぎですな。
「おお、俺たちのミサイルでこんなにも騒ぎうろたえておるわ」なんて先方がほくそえんでいるとすれば、それもいまいましい話であります。

ところでこんな話もあるんですね。
雪斎先生はどのようにお考えになりますか?
著作権等で問題があるようでしたら削除いただいてけっこうです。


北海道知事選:民主党の道議有志、北大教授擁立へ

 来春の北海道知事選に向け、民主党の道議有志が北海道大大学院教授の山口二郎氏(47)=行政学=の擁立に向け推薦人を集め始めたことが6日、分かった。同党の道議36人のうち20人以上が山口氏擁立に賛同しており、山口氏を担ぐ動きが一気に強まる可能性がある。

 同党北海道は7月末まで知事選の候補者を公募しており、応募者に500人の推薦人の確保を義務付けている。現時点で条件を満たし応募した人はいない。

 山口氏の擁立に向けては、連合北海道傘下の有力労組も動いており推薦人確保は確実とみられる。道議有志は500人を大幅に超える推薦人を集めることで「最有力候補」に押し上げたい考えだ。道議の1人は「山口氏は道政のあるべき姿について主体的な発言をしており、実践の場でも成果を挙げられる人だと思う」と語った。

 山口氏は岡山市出身で、東京大法学部卒。同大助手、北大教授などを経て現職。

 同党は、10月の臨時大会までに知事選の候補者を最終決定する方針。

毎日新聞 2006年7月7日 3時00分

Posted by: Y.F@Itabashi | July 07, 2006 at 04:32 AM

・るびい殿
北朝鮮絡みの話は、もう一回書きます。
・YF殿
H先生に会えましたか。
ところで、Y先生擁立ですか。拙者の所見は保留させてください。

Posted by: 雪斎 | July 07, 2006 at 04:48 AM

ご連絡してませんでした。
大変失礼しました。
H先生とお会いし、大変有意義なお話をいただきました。
あとは私の頑張りだけです。

Posted by: Y.F@Itabashi | July 07, 2006 at 04:55 AM

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出遅れてるのに、ちょっと悪ノリかなぁ・・・。お許し下さい、首領様♪ *** ♪日本海の夜空に♪ 大金を使って ミサイルつくっちまった 俺らのテポドン とうとう飛ばしちまった どうしたんだ Hey Hey Jong-il エネルギーはビンビンだぜ いつものようにフイに ブッ飛ばそうぜ そりゃひどい外交 したこともあった だけどそんな時にも 軍備はシッカリ どうしたんだ Hey Hey Jong-il 機嫌直してくれよ いつものようにフイに ブッ飛ばそうぜ Oh... [Read More]

Tracked on July 07, 2006 at 08:22 PM

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