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July 11, 2006

国連安保理という「戦場」・続々

■ 本日以降、ココログがメンテナンスに入るようなので、このエントリーにて当分、更新は中断である。その前に、どうしても書いておきたいことがある。
 

□ 制裁決議案、採決を延期 「数日間」と官房長官
 【ニューヨーク10日共同】北朝鮮のミサイル発射問題を受けて日本など計8カ国が国連安全保障理事会に共同提出、10日採決を目指していた北朝鮮制裁決議案をめぐり、安倍晋三官房長官は10日夜、日米両政府が「中国の北朝鮮に対する外交努力を見守り、数日間は行わないことで合意した」と述べ、採決の延期を言明した。
 中国の王光亜国連大使は10日午前(日本時間同日夜)、5常任理事国と日本が決議案に関する協議を当面、継続することで合意したと言及。また、現在の制裁決議案を修正しなければならないと述べ、非難決議の検討に含みを持たせた。

 ここでいう「数日間」というのは、どの程度のスパンを意味しているのであろうか。採択は、15日から始まる「サンクトペテルブルク・サミット」の前なのか後なのか。今は、中国の対朝説得の行方に焦点が一時的に移っているようである。もしかしたら、中国政府には、次のような話が伝えられているかもしれない。
 「胡錦濤は、サンクトペテルブルクに、ちゃんとお土産を持ってくるのだろうな…。対朝説得の成果というお土産を…。そうでなければ、どの面を下げてサンクトペテルブルクに出てくる気か…」。
 だとすれば、現時点で必死に「外交」をやっているのは、中国である。中国のお手並みを拝見しようというのが、日米両国と欧州諸国の現時点での態度である。日米両国と欧州諸国は、必死になる必要は何もないのであある。外交の世界でも他の世界でも、必死になって余裕をなくしたほうが劣勢であるのは、いうまでもないことである。
 日米両国と欧州諸国は、制裁決議でもそれよりも一段格落ちの非難決議のどちらでもいいと思っているであろう。湾岸戦争の時ですら、イラクに対して最初に出されたのは、非難決議だったはずである。その点でいえば、今の日本政府の余裕は、いきなり制裁決議の線で掛け金を高く釣り上げたことにあるのであろう。もし国連の枠組で上手くいかなければ有志国連合で制裁に踏み切るまでのことである。

■ ようやく、この話が出てきた。「共同」記事である。
 

□ 敵基地攻撃能力は必要 額賀氏「与党の議論待つ」
 額賀福志郎防衛庁長官は9日、記者団に対し、北朝鮮の弾道ミサイル連続発射を踏まえ、現在自衛隊が保有していない発射基地などへの敵基地攻撃能力について「独立国家として、一定の枠組みの中で、最低限のものを持つという考え方は当然だ」と述べ、憲法の範囲内で可能な装備を検討すべきだとの考えを示した。
 ただ「自民党、与党内での合意が必要だ」とも述べ、当面は自民、公明両党内の議論の進展を待つ意向を明らかにした。
 これに関連し麻生太郎外相は同日のNHK番組で「(核が)ミサイルにくっついて日本に向けられているのであれば、被害を受けるまで何もしないわけにいかない」と述べ、一定の条件の下で北朝鮮のミサイル基地攻撃は自衛権行使の範囲内との見解を示した。

 北朝鮮のような「独裁国家」の首領に対して最も強烈な圧力になるのは、「自分だけが殺られる」という意識を与えるようなピンポイントの攻撃体系を持つことである。雪斎は、日本が「核」を持つべきだとは思わないし、ミサイル防衛構想の有効性には依然として懐疑的に見ているけれども、JDAMと呼ばれる対地誘導弾の装備や通常弾頭搭載型のトマホーク・ミサイルを導入して、そうしたピンポイント攻撃の体系を備えることは大事なことfであると思ってきた。今度は、結果を出したいものである。

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Comments

雪斎殿、はじめまして。
「敵基地攻撃能力」の議論も重要ですが、それよりも政府、とりわけ自衛隊の「情報収集体制」、具体的には自衛隊が情報収集衛星を直接保有・運用できるほかミサイル防衛(MD)の早期警戒衛星も保有可能となる、非軍事に限られている宇宙利用政策の見直しなどを盛り込んだ「宇宙基本法(仮称)」の臨時国会での行方なども、MD計画の前倒しと合わせて注目されるべきだと思います。

Posted by: bystander | July 11, 2006 at 01:13 PM

「核」については、複数の見解があると思います。
最後の砲艦外交の手段、もしくは伝家の宝刀としての機能とか。
正直、なりふり構わない相手に対して、大金をかけて通常兵器体系をいくら整備したところで、比較すれば安い核兵器一発で対抗できるのですから貧しい国が欲しがるのは理解できます。
「国家が核を持つ」ことは、「核が国家を生む」「生き延びさせる」ことでもあると。
私個人は、長期的に日本の核武装もまた戦略オプションとして考えるべきだと思っていますが、まず、それ以前にプラットフォームの構築や運用思想の確立、法体系の整備から始めるべきだと考えます。
また、「核」は現在、人類が持つ最終兵器ですが、「核」がそうあることをやめたとき、新たな最終兵器を日本はあっさりと入手するのではないかと愚考します。

Posted by: TOR | July 13, 2006 at 08:45 PM

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