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June 09, 2006

折々の言の葉 カネにまつわる言葉

■ 昨日、日経平均株価は一時600円下げで、7ヵ月ぶりの安値水準である。最近は、アップ・ダウンが矢鱈に激しいような気がするけれども、もう少し緩やかな動きをして欲しいものである。
 古来、カネにまつわる名言は幾らでもあるけれども、一寸、ひもといてみよう。
 ● 「世に銭ほど面白き物はなし」。-井原西鶴
 確かに、これは究極の名言である。「ホリえもん」」こと堀江貴文氏や「偽・欽ちゃん」こと村上世彰氏にまつわる話は、総てこの西鶴の言葉のヴァリエーションである。もっとも、堀江氏や村上氏の今を見ていると、次のトルストイの言葉のほうが、訴えかけるものは強い。
 ● 「ああ、金、金! この金のためにどれほど多くの悲しいことがこの世に起こることであろうか!」。―レフ・ トルストイ

 ただし。カネに関しては、笑えるものを引用していたほうが楽しいかもしれない。
 ● 「若いときの自分は、金こそ人生でもっとも大切なものだと思っていた。今、歳をとってみると、その通りだと知った」。―オスカー・ワイルド
 ● 「金は天下のまわりものだ。いつもこちらをよけてまわるのが気にくわないが」。―イワン・ツルゲーネフ
 ● A「あなたが一番影響を受けた本はなんですか」
   B「銀行の預金通帳だよ」
       ―バーナード・ショー
 ワイルドとショーの言葉は、皮肉の効いた「いい味」である。ツルゲーネフのも雪斎は得心する。
 因みに、雪斎にとっての「銭」認識に最も近いのは、次の言葉である。
 ● 「一身一戸を斉治して恒産有りて恒心有り、之を吾人自治の本拠とせん」。―濱口梧陵
 言論の世界で活動しようと思えば、「何時でも筆を折る」覚悟が要る、そうでなければ、世に阿った質の悪い文章を書き散らす羽目になる。「売れっ子」であることは、決して喜ばしいことだとは限らない。そうした意味では、「筆を折っても生活を成り立たせる」構えが必要になる。言論家にとっては、「良い文章」を書くための条件が「恒産」である。
 最後に、雪斎が気に入っているのは、次の言葉である。
 ● 「人生を恐れてはいけない。人生に必要なものは、勇気と想像力。それとほんの少しのお金だ」。―チャールズ・チャップリン
 何かをしようという「勇気」、何をしたいかという「想像力」、これにある程度のカネが加われば、人生においては、それなりのことができる。

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「折々の言の葉」カテゴリの記事

Comments

いつも拝読しております。大学で文学部に所属していたとき、いつも
周囲の皆様の「恒産」に対する意識の低さに驚かされました。どんな
研究をするにもまず生きていなければ始まりません。しかしながら、
「恒産」の話をすると異端者をみるような目で見られたものです。
その後の彼らの経緯を見ると、ますます「恒産」の重要性を痛感
させられました。もっともその時には私は肌のあわない文学部から
脱出していましたが。

Posted by: がり | June 09, 2006 at 05:16 PM

ご無沙汰しております。
最後の言葉は、小泉首相もおっしゃっていましたね。
"All it needs is courage, imagination, and a little dough".
だったと思います。

Posted by: ファガスの森 | June 10, 2006 at 11:14 AM

株価がすごく落ちてますが、今こそ買いか、もう暫く先が買い場か、悩みどころですね。

>「世に銭ほど面白き物はなし」。-井原西鶴
西鶴読んでないのであれですが、「銭儲けがおもろい」ではなく「銭を通して人間が見えるからおもろい」の意味なんでしょうね、多分。村上サンはどうだったでしょう、銭にゲーム性を見出していたかな?
ところで私だって、目の前にウン十億の大金が手にはいるチャンスがあったら、法を犯さないとは限らないよなぁ、とも思います。銭は人を試しますねぇ。

がりさん>
社会に物資の余剰があるからこそ、文芸が成立するのですよ・・・と言っても分かってくれない人は分かってくれませんよねorz

Posted by: やすゆき | June 11, 2006 at 12:25 PM

・がり殿
こういう言葉もありますね。
「富を軽蔑する人間をあまり信ずるな。富を得ることに絶望した人間が富を軽蔑するのだ。こういう人間がたまたま富を得ると、一番始末が悪い人間になる」。― フランシス・ベーコン

・ファガスの森殿
おひさしぶりです。ありがとうございます。

やすゆき殿
西鶴は、「カネから透けて見える人間模様」が面白いといつ意味で言ったのでしょう。

Posted by: 雪斎 | June 11, 2006 at 01:30 PM

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