« 朝食の話 | Main | 今日から六月、嫌だね…。 »

May 28, 2006

太平洋・島サミット

■ 太平洋・島サミットが閉幕した。「産経」記事である。
 □ 日本の常任理入り支持 島サミット首脳宣言採択
 沖縄県名護市で開かれている「第4回日本・太平洋諸島フォーラム首脳会議」(太平洋・島サミット)は2日目の27日午前、首脳宣言を採択して閉幕した。
 宣言で、参加各国は日本の国連安全保障理事会の常任理事国入りへの支持を改めて表明した。中国が経済支援をテコに影響力を拡大しているなか、「親日国」が多い太平洋の島嶼(とうしょ)国との関係を今後、どのように強めていくかが課題となる。
 島サミットには、オーストラリア、ニュージーランドを含む14カ国と2地域からなる太平洋諸島フォーラム(PIF)メンバーと日本が参加しており、首脳宣言には日本と太平洋の島嶼国との信頼関係を強める「沖縄パートナーシップ」の構築や日本の支援状況を検証する合同委員会の設置などが明記された。
 一方、日本、オーストラリア、ニュージーランドの3カ国は、ナウルなど14カ国・地域に対する援助での連携強化に向けた共同声明を採択した。同声明は「説明責任と透明性が確保される援助国の支援を支持する」とうたい、アフリカ諸国で大統領宮殿を建設するなど対象国の首脳らの歓心を買う方法で経済支援を実施している中国を暗に牽制した。

 小泉純一郎首相は首脳宣言採択に先立ち、太平洋の島嶼国12カ国と2地域に対して、災害や環境対策などのために、今後3年間で総額450億円の政府開発援助(ODA)を拠出する支援策を表明した。
◇ 首脳宣言(要旨)
・日本と太平洋諸島フォーラム(PIF)首脳はこれまで発展させてきた信頼関係を基礎として、パートナーシップを一層強化、新たな「沖縄パートナーシップ」を構築する
・国連安全保障理事会の早期改革の必要性を認識し、PIFメンバーは日本の常任理事国入りに支持をあらためて表明した
・2003年の前回・島サミットで採択された「沖縄イニシアチブ」の下で多くの事業を成功裏に実施。続行中の事業は「沖縄パートナーシップ」の下で継続される
・最近のソロモン諸島の情勢に留意し、太平洋島嶼国地域の「良い統治」と安定のための協力を継続する
・小泉純一郎首相は経済成長▽持続可能な開発▽良い統治▽安全確保▽人と人との交流―を重点分野とする支援を表明した
・日本とPIF首脳は国際社会が太平洋地域とのパートナーシップを強化することを呼び掛けた
・「沖縄パートナーシップ」の実施状況などの検証のため合同委員会を設置する

 太平洋・島サミットは、小渕恵三総理の「遺産」である。橋本龍太郎内閣期に開かれた第一回会合の時には、まったく目立たなかった会合を「太平洋・島サミット」としてバージョン・アップさせて、太平洋島嶼諸国に対する日本の影響力確保の場に押し上げたのは、小渕総理の功績である。しかし、小渕総理は、六年前のサミットの直前に昏倒し、自分の構想の実現を見ることはなかった。
 ところで、今回の島サミットは、対中牽制の意味合いで解説されているけれども、この解説は、少しおかしなところがある。中国の動向がどうであろうと、太平洋島嶼諸国が日本にとって大事な友邦であるということことはまちがいない。太平洋は、日本にとっては、「われわれの海」なのである。この「われわれ」には、台湾は入ったとしても中国は入らない。何を今さら、対中云々などと余計なことをいっているのであろうか。中国が幾らカネを太平洋島嶼国にばら撒こうとも、それだけのことである。日本は、米豪両国やNZとともに、自信を持って「われわれの海」を維持すればよい。小泉総理は、中国の援助について、「結構だ」とか語ったようであるけれども、雪斎も、「大いに結構だ」と思う。太平洋島嶼諸国は、中国からは、「もらえるものは、もらっておけばよい」のである。
 もっとも、島サミットの話を聞くと、雪斎は、「日本も空母を保有して、米豪両国と一緒に太平洋全域の安全保障に責任を持つようになるべきだ」という想いを抑えられなくなる。日米豪の協調の舞台が太平洋であるとすれば、空母を持って太平洋を巡回するようなことは、やって欲しいなと思う。日本には、まだやれることがある。
 六年前の島サミットは、東京で初日のレセプションが開かれた。当時の議長は、パラオのナカムラ・クニオ前大統領だった。雪斎は、レセプションでナカムラ大統領と言葉を交わす機会を得たのであるけれども、大統領閣下が雪斎に掛けてこられた最初の言葉は、「貴下は結婚しているのか」であった。この大統領の質問に、どのような意味があったのであろうか。謎である。今でも、「あの質問はなんだったのか…」と、ふと思う。

|

« 朝食の話 | Main | 今日から六月、嫌だね…。 »

「国際情勢」カテゴリの記事

Comments

大変気になるニュースだったので、トラバさせていただきました。太平洋諸国は「太平洋戦争」で戦場になったところなのですが、その国々とこれだけの友好関係を築けるのを見ていると、歴史問題というのはもっと簡単に乗り越えられるものなのではないかと思ったりもしました。

Posted by: 副会長 | May 28, 2006 at 01:04 PM

>「日本も空母を保有して、・・・」
さらりとそこに触れるのですか・・・。

中・南太平洋の諸国が与国なら、あえてCVなんて金食い虫をもつ必要ないのでは?空中給油体制と大型の強襲揚陸、おっと輸送艦を整備する方が優先では?と思います。仮に甲板先頭にはスキージャンプ付いていても、あくまでも「輸送艦」ですから。

どーしてもちゃんとしたCV欲しいとなると、「世界唯一の被爆国としての国民の核アレルギーを考慮して」というのも口実に使えるでしょう。財務省には「今ならイギリスと共同調達すれば経費は減らせます。」と訴えてみるのもいかがでしょうか?
もしかしたら、史上初の英仏日三カ国共同調達の姉妹艦隊になるかも。そろい踏みはさぞ壮観でしょうね。でも、米国の目にはどう映るか・・・。

どっちにせよ、急ぐつもりならFXにF-15でもF-2改でもなくF-18でしょうし、FSXは海兵隊・英軍仕様のF-35に決まりとなるはずですから、何を買うかで意図は透けてくるのですね。

Posted by: KU | May 28, 2006 at 03:51 PM

http://asyura2.com/0601/asia4/msg/751.html(阿修羅)
太平洋の島々は「隠された核被爆者の埋もれてる国々」なのです。 第五福竜丸や近海で操業していた多くの漁船が被曝していたのであるから、ミクロネシアに暮らす人々が被曝していないはずがない。イギリスの女性ジャーナリストであるジェーン・ディブリンは、ミクロネシアの島々に住む島民の太平洋戦争後の四〇数年の体験を描いた。日本の支配から米国統治に置きかわってまもなく、諸島民は「疑似核戦争」の恐怖の中での生活を余儀なくされた。広島原爆の一〇〇〇倍もの破壊力をもつビキニ島の水爆など、実に六六回もの核実験が行われ、弾道ミサイルやスターウォーズ計画の実験地にされた。アメリカの世界軍事戦略の犠牲となった島民の苦難の歴史と抗議の声を世に明らかにしたドキュメンタリーは衝撃を与えた。続きはクリックで・・
被爆国として十分共闘可能な島々です。「太平洋戦争」で戦場になったところなのですが それより苦しめられて来ました。この事実はスルーして友好協力だけのメッセージは無いでしょう。小泉氏の歴史認識の無さを疑問に思います。日本だけが唯一の被爆国では無いのです。

Posted by: ようちゃん | May 29, 2006 at 06:21 AM

米国の核実験は報道しても、フランスの核実験は報道しない

Posted by: 反中派 | May 29, 2006 at 09:30 AM

>太平洋は、日本にとっては、「われわれの海」なのである。
>この「われわれ」には、台湾は入ったとしても中国は入らない。
>何を今さら、対中云々などと余計なことをいっているのであろうか。
>中国が幾らカネを太平洋島嶼国にばら撒こうとも、それだけのことである。

これは北京政府が
「日本との手切れを条件に札びらを切ろうとした」
という事を踏まえております。

で、
「宣言で、参加各国は日本の国連安全保障理事会の常任理事国入りへの支持を改めて表明した。」とあいなったわけですから、お下劣な外交は成功しないという事でしょう(笑

Posted by: ぺパロニ | May 29, 2006 at 01:33 PM

最初の島サミットのときだったか、首脳たちが皇居を表敬されたときに、「是非とも儀式の踊りをお目にかけたい」ということになった。始まってみると、これがもろに南方の島々の踊りであって、延々と続いて終わらない。外務省は冷や冷やしていたけれども、陛下は終始、ニコニコしながら「表敬」を受けられたそうです。

こんな「外交」もあるんですよ、というお話。

Posted by: かんべえ | May 29, 2006 at 01:55 PM

PNG・ソロモンなど旧日本軍の補給線が延びきった地域の戦略的な重要性は、戦中と変わらず高いと思う。それにしてもポートモレスビーでの中国の経済的覇権の伸長は、すさまじいものがある。ODAを切り札としたかもしれないが、ODAの後ろには民間投資が付いていかなければ捨て金になってしまう可能性が高い。現在のPNG、ソロモンでの投資状況を見ていると、日本側が互恵の原則をもって、現地に投資をしているようには見えない。そうすると、(互恵であるかどうかはともかく)急速にプレゼンスを増してきた中国に対する期待を表明する現地政府の役人の言葉は、非常に示唆に富むと感じている。

Posted by: 島の事情通 | May 31, 2006 at 03:00 PM

ソロモンと言えば、先日、首都ホニアラで暴動が起こったときは、中国人が攻撃されて、中国政府が避難のための救援機を出してましたね。
こういうのも中国のプレゼンスの高まりと、現地の反感の強さを示してるんでしょうね。

Posted by: Baatarism | May 31, 2006 at 09:06 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/71618/10271158

Listed below are links to weblogs that reference 太平洋・島サミット:

» 頼りがいのある隣人 [副会長だより]
 最近、野球のことばっか書いているのですが、気になったニュースは「島サミット」についてでして、「何かコレ書いておきたいなー」と思っていたら、雪斎先生に先を越されてしまった・・・。  こういう取り組みは良いことだと思うんだけど、マスコミの取り扱いはイマイ....... [Read More]

Tracked on May 28, 2006 at 01:00 PM

» 日中軍事バランス補論 開明的な国防政策への試論 [寝言@時の最果て]
 まず、昨日の記事の補足について述べます。昨日の江畑さんのお話は私が直接、「取材 [Read More]

Tracked on May 29, 2006 at 02:43 AM

» 無担コール翌日物金利は今日も上昇 アジア株全面高 [Star Prince JUGEM]
日銀は今日は即日オペ資金供給を見送り無担コール翌日物想定上限金利の 0,1%をつけました。アジア株は全面高。来週も市場の動きを注視する必要があります。 今日は家内が体調不良に陥り小生が持ち帰り寿司等を買い帰宅。最近の天候不順で神奈川ではインフルエンザが小学校で大流行とか。風邪で連日寝込んでいる人もいます。九州ではとうとう入梅宣言。5月の今の時期というのは少し早いのではとも思いますが。 最近また広末涼子が活躍しているようです。黒柳徹子さんも健在ですし。 ライブドア騒動の中、乙部元広報が今朝話題... [Read More]

Tracked on May 29, 2006 at 07:39 PM

» 空想・小泉のホンネ?① [歌は世につれ世は歌につれ・・・みたいな。]
マネー・マーケットが荒れているようですが、それはちと置いといて(笑)、今日からは、ポスト争いも本格化し、あとは花道を飾るだけ、といったカンジの小泉総裁を象徴する3曲を替えてみましょう。 まずは、ご本人も「なんてったってコイズミ~」と唄っていた、この曲から♪ 「小泉が『やっぱ総裁やめたくなーい』なんて言い出したら・・・」という空想を基にしました。 *** ♪なんてったって総裁♪ なんてったって総裁 なんてったって総裁 もらったセグウェイから 官邸前で飛びおりて 白い長髪ひら... [Read More]

Tracked on May 31, 2006 at 08:33 AM

« 朝食の話 | Main | 今日から六月、嫌だね…。 »