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February 14, 2006

「憂国家」にはならない。

■ 昨日昼刻、東京・南麻布にあるイラン大使館でレセプション・パーティに参加する。名目は、代議士の代理であったけれども、実態は、食い意地が汚くなっている雪斎が、「ペルシャ料理は食ったことないな…」ということで、かなり強引に参会の「仕事」を回してもらったのである。なるほど、確かに旨かったと思う。特に「チキンの串焼き」が…。
 ところで、パーティの場では、軍服に身を包んだ各国の駐在武官の姿が目立った。確認できただけでも、韓国、中国、ロシア、スイスと来ている。無論、我が自衛隊からも、結構な数が来ていた。実は、昨日朝、イラン核施設の空爆計画があるという報道がなされたばかりである。随分と微妙な時期にイラン大使館に行ったものだと思うけれども、雪斎は、「そんなことは知らないよ…」とばかりに「チキンの串焼き」にパクついていた。随分と「お気楽な人物」になったものである。

■ 「むやみに神経を使って、やたらに世間のことを苦に病み、朝から晩まで頼みもしないことに奔走して、それが為に頭が禿げ鬚が白くなって、まだ年も取らないのに耄碌してしまうような憂国家とかというものには、おれなどにはとてもなれない」。
      ― 勝海舟著『氷川清話』 ―
 「そうだろうな…」と雪斎は思う。雪斎が日々、政治に関わり、「天下国家」を論じても、それは、「仕事」だからやっているのであって、「仕事」を離れた場所でも、それをやろうとは思わない。人間の世界には、政治活動や経済活動よりも、価値のあることは多々ある。にもかかわらず、自分の「仕事」以外の時間に、「朝から晩まで頼みもしないことに奔走する」種類の人々が、政治的な翼の左右を問わず、あちらこちらにいる。そうした人々は、雪斎には、「立派な人々だ」とは思うけれども、「そうはなりたくない人々」でもある。

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Comments

プロの雪斎さんにとっては仕事ですが、一般人にとって政治的言論を戦わせるのは趣味の一種だろうと思います。
レーシングドライバーが「峠で飛ばしてる連中の気が知れない」と呟くような構図ですね。

Posted by: 玄倉川 | February 14, 2006 at 08:20 PM

今の自分の持ち場をしっかり守ること、
それがお国に貢献することと信じて
おります。

Posted by: おおみや%バイト君 | February 14, 2006 at 10:48 PM

運動自体にのめり込むことの愚ということでしょうか。
確かに、それが健全な感覚であるように思います。
氷川清話の引用は、少々、冷ややかな感じもしますが。

Posted by: 西田瓜太郎 | February 15, 2006 at 12:48 AM

・玄倉川殿
・おおみや殿
・西田殿
 この「憂国家」というにのは、昭和初期でいえば血盟団事件を起こしたような人々、戦後でいえば極左過激派や市民運動家のような人々なのでしょうな。たとえ左翼であっても、国の現状を憂えるということで「頼みもしないことに朝から晩まで奔走」すれば、ここでいう「憂国家」なのだと思います。今では、それは、デモや運動をやっているような人々のことです。私は、「仕事」を離れて、そういうことはしたくないなと思います。物事を考え議論している分には、構わないのですが…。

Posted by: 雪斎 | February 15, 2006 at 02:57 AM

 ペルシャ料理が目的だったとはいっても、イラン情勢についてそれとなく情報を聞き出したのでは?。チキンの串焼きを頬張りながら(笑)。
 どうなるんでしょうねぇ、イラン情勢は。モッタキ外相が27日から来日するそうですが、日本としても何らかの仲介役は果たせそうですかね?。麻生さんは得点を稼げるでしょうか?。

Posted by: ささらい | February 15, 2006 at 10:41 AM

次の新月まで、あと二週間ないですね。

世間の誰もが「どうせ核兵器開発」と思っている場所ですし、生成過程でドジ踏んで核爆発起こす可能性もあるわけで、仮に吹っ飛んでも「ほらごらんなさい」と誰も同情しないし「事故」の細かい事情は詮索しないし、誰のせいでもないから気をつけましょうと話し合ってアナン先生のホームルームの時間は終わる、という変な夢を見た、悪寒がする微熱の午後です。

Posted by: KU | February 15, 2006 at 12:09 PM

憂国家にならないんじゃなくて、
憂国家を笑える程度になってほしいですね。
学者にも、説明責任が必要だと思う。
ここの主人も含めて、日本では、未だに、国家の品格だのいう人がいる。
これは役に立たない。馬鹿げているから他の国は、
「それは素晴らしい」と褒める。

米国は、北朝鮮を締め上げるのに、犯罪組織を洗って
金融面から締め上げた。
日本は、相変わらず、品格ある外交のようだ

Posted by: 反中派 | February 15, 2006 at 12:30 PM

・ささらい殿
ううっ。鋭いツッコミ。
ただし、今のイランは大変だと思いますよ。とくに外交官は…。
・KU殿
イランに対する影響力を行使できるのが、結局、どこかと言う問題ですな。もっとも、ノルウェーからも来客が来ていましたから、外交官の世界には、別の時間が流れているともいえます。
・反中派殿
コメント多謝。

Posted by: 雪斎 | February 16, 2006 at 01:27 AM

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