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November 17, 2005

ジョージ・W・ブッシュ大統領入洛

■ 昨日昼刻、米国から帰国中のS氏に会う。実に五年振りの再会である。「銀座・竹葉亭」で昼間から鰻を食す。

■ 昨日、ジョージ・W・ブッシュ大統領入洛である。大統領には、日本のもっとも美しい瞬間に来てもらえたのは、よかったと思う。政治学徒の端くれとしては、大統領がどのような政策方針打ち出したかに関心がある。「時事通信」の記事である。
  □ 「日米」軸に自由拡大=アジア政策で包括演説-ブッシュ大統領
 ブッシュ米大統領は16日午後、京都市左京区の京都会館で演説し、米政府のアジア政策について包括的な方針を示した。大統領はこの中で、敵対した過去を乗り越え、確固とした同盟を築いた日米関係を軸に、アジアで自由と民主主義を広める決意を鮮明にした。

 この「包括演説」の全文が、既に公開されている。

 雪斎にとって興味深かったのは、次の二つの件である。

 The relationship between our countries is much bigger than the friendship between a President and a prime minister. It is an equal partnership based on common values, common interests, and a common commitment to freedom. Freedom has made our two democracies close allies. Freedom is the basis of our growing ties to other nations in the region.

 In the 21st century, freedom is an Asian value -- because it is a universal value. It is freedom that enables the citizens of Asia to live lives of dignity. It is freedom that has unleashed the creative talents of the Asian people. It is freedom that gives the citizens of this continent confidence in the future of peace for their children and grandchildren. And in the work that lies ahead, the people of this region can know: You have a partner in the American government -- and a friend in the American people.

 この記述だけを見れば、「日米関係を軸に、アジアで自由と民主主義を広める決意を鮮明にした」という「時事通信」の記述は、確かに正しい。「自由の拡大」という方針は、ブッシュの第二期政権下では何ら変わっていない。しかし、この「包括演説」にも、「含み」がある。たとえば、次の記述である。

 Kyoto served as the capital of Japan for more than a thousand years -- and it is still the cultural heart of this great nation. It's a proud city where ancient teahouses and temples keep this country's traditions alive -- and scientists from its universities win Nobel Prizes. Kyoto is a symbol of Japan's transformation into a nation that values its freedom and respects its traditions.

  「包括演説」の最初の件である。「京都は、自由の価値を認め伝統を尊重する国家に日本が変容していたことの象徴である」。アジアの国々は、その「独自性」や「伝統」を尊重するのは当然であるけれども、「自由」という「普遍的な価値」ももまた尊重される必要がある。京都は、そうしたことを成就してきた日本を象徴する土地柄ではないか。これが「包括演説」の意図であろう。雪斎は、こうした「含み」の意味は大事だと思う。「自由の拡大」という政策方針を額面通りに受け取れば、米国の価値観を押し付けるのかという反発が出てくるかもしれないけれども、「包括演説」が提案してるのは、「独自性」や「伝統」の尊重、「自由」という「普遍的な価値」の尊重を「両立」させるということである。
 「包括演説」は、かなり穏当な演説である。しかし、その穏当さの故に、たとえば中国政府にとっては、だいぶ嫌なものであろう。、「別に、中国の独自性や伝統を否定せよと求めているわけではない。それはそれで大いに尊重されるべきある。ただし、自由が普遍的な価値であるということぐらいは、判るよな…」。確かに、これは、いやらしい演説である。

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「国際情勢」カテゴリの記事

Comments

 金閣寺の訪問は小泉総理の発案でしょうか.そうならタイムリークリーンヒット.実は、金閣寺は私の実家の隣でして、又、私の高校のすぐ側で、日本文化の伝統の持つ華やかさと静謐さが見事に組み合わさっているんです.そこにブッシュさんを案内したことはいいことです、本当に.

Posted by: M.N.生 | November 17, 2005 at 10:10 AM

小生も何度か金閣寺訪問していますがTVで父BUSHが訪れているからと報道されていました。何にしても
秋の京都はいいでしょうね。日本株も今日大きく上昇してけっこうなことで。

Posted by: 星の王子様 | November 17, 2005 at 09:56 PM

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