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October 26, 2005

「女性天皇容認」云々以前に…

■ 一昨日、昨日と注文された原稿を仕上げる。従って、月曜から火曜午前にかけては一睡もできなかった。
 □ 「自由民主党結党五十周年記念論文」
  : 『月刊自由民主』来月号掲載予定
 □ 『中央公論』「時評2005」欄最終原稿
  : 『月刊自由民主』来月号掲載予定
 午後は、大学で授業。授業後、学生たちと一緒にお茶の水のとある病院に入院中の学生の見舞いに行く。
 見舞い後、学生たちと別れて、永田町に移動する。愛知事務所で、取材に来ていた朝日新聞と共同通信の記者と雑談する。愛知代議士と協議する。明日木曜日の憲法調査特別委員会への対応である。
 帰宅後、食事と入浴を済ませて、そのまま実質五時間の「地震が来ても絶対に覚めない」ディープ・スリープ」と相成る。

■ 昨日、読売新聞夕刊文化面「ひと」欄に雪斎の紹介記事が載る。書いてくれたのは、読売新聞文化部のT記者である。一読、「いい記事だ」と思う。Tさん、多謝である。

■ タイガース、三連敗である。おかしい…。

■ 皇位継承に関しての議論の構図ができあがりつつある。二つの記事がある。
 □ 女性、女系天皇容認 皇室典範の有識者会議  -共同
 小泉純一郎首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」(座長・吉川弘之元東大学長)は25日、首相官邸で会合を開き、安定的な皇位継承を維持するため、継承資格を女性やその子どもの女系皇族に拡大することを盛り込んだ最終報告書を取りまとめることで一致した。
 有識者会議として「女性天皇」を容認。継承順位の結論は出なかったが、同会議メンバーは天皇の長子(第一子)を優先する考えだ。政府は11月末にも提出される最終報告書に基づき、皇室典範改正案を来年の通常国会に提出する方針で、小泉首相は25日夜、記者団に「その方向で準備を進めている」と明言した。
 □ <皇室典範考える会>旧皇族の皇籍復帰要請 渡部昇一教授ら -毎日
 「皇室典範に関する有識者会議」が11月末の最終報告取りまとめに向けて意見集約に入るのを前に、男系男子による皇位継承の継続を求める学者らが21日、「皇室典範を考える会」(代表・渡部昇一上智大名誉教授)を結成、国会内で記者会見を開き声明を発表した。声明は有識者会議に旧皇族の皇籍復帰を検討するよう要請。

 結論からいえば、女性天皇容認への流れは、かなり強いものになっている。それに抵抗する「保守」論客の声は、世の大勢の支持を得るに至っていない。何故、このようなことになっているのか。
 『西郷南洲遺訓』には、次のような西郷隆盛の言葉が残されている。
 

「何程制度方法を論ずるとも、其の人に非ざれば行われ難し。人有りて後ち方法の行わるるものなれば、人は第一の宝にして、己れ其の人に成るの心懸け肝要なり」。

 どんなに立派な高説を並べようとも、それが人品卑しい人物の口から吐かれたならば、全く説得力のないものに堕す。男系男子による継承を求める保守論客の中には、『日本を売る人々』などというふざけたタイトルの書を出している御仁がいる。他人を罵倒する言辞を繰り返せば、一時的には拍手してくれる人々もいるかもしれないけれども、その言論の影響力は確実に侵食される。
 「有識者会議」は、吉川弘之座長以下、佐々木毅前東大総長、緒方貞子国際協力機構総裁のように、言論の中身以前に、その人格や経歴などで尊敬される人々が多い。雪斎は、このような人々の言論の中に、「他人への罵倒」を見たことがない。「説得力」の出発点からして、だいぶ、開きがあるのである。

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「学者生活」カテゴリの記事

Comments

>阪タイガース、三連敗である。おかしい

これで負けたら、村上ファンドのせいだと言われるだろうなあ.(いや絶対そうだ)

Posted by: M.N.生 | October 26, 2005 at 04:23 PM

結局4連敗でしたね。
なんでこんなに弱いんでしょうね。
いくら何でもこれはおかしいですよ。

というわけで、村上氏はちょうど鬱憤をぶつけられる位置にいたのが不幸ということで。(爆)

Posted by: Baatarism | October 26, 2005 at 10:09 PM

…あげなけったいなプレーオフ制度さえなければ…っ…(とある鷹ファンの言っても詮なき嘆き)

●Baatarismさん
>なんでこんなに弱いんでしょうね。

全日程終了からシリーズ開幕まで間が空き過ぎたからでは…?という見方が某スポーツ紙コラムでありました(鷹についてもいえそうですが)

日程編成は来年からでもやり直せるんですから、ナベ●ネ氏も変な陰謀論をぶっている暇があったらそっちを主張してほしいもんです。

>皇位継承に関しての議論
トラックバックを送ってますが、保守系掲示板でも無茶苦茶な説が飛び交う有様でして…もう何というか _| ̄|○
(さすがに大方は華麗にスルーしてますけれど)

Posted by: 暁緑桜公@させぼ | October 27, 2005 at 12:15 AM

「第四戦だけだったな…。まともに試合として成立したのは…」。率直な感想です。

Posted by: 雪斎 | October 27, 2005 at 05:06 AM

初めまして。
いつも雪斎殿の鋭い視点に、感銘を受けながら読ませて頂いているのですが、なんとなく最近の保守論壇の方々に対するコメントには必要以上の厳しさを感じ、(余計なお世話ではありますが)ちょっとした懸念を覚えましたので、コメントさせて頂くこととしました。

私はまったくの門外漢ではありますが、現在、「皇室典範を考える会」の主張が広い支持を得られていないのは、彼らの過去の言動云々以前の問題として、それが単に旧来の慣習の継続を訴えているとしか聞こえず、「改革を止めるな」モードに染まっている人々の耳には、まったく説得力をもって響かないからのように思われます。
従って、本件に絡めて、彼らを「人品卑しい」などという言葉をもってコメントされるのは、やや「強く辛辣」過ぎるきらいがあるのではないかと思いました。

以上、勝手な感想でした。失礼しました。

Posted by: ラスト何マイル? | October 27, 2005 at 09:26 AM

私は女系天皇には基本的に反対です。
反対の理由はいくつかあるのですが、一番は、二千六百年続けてきたことを我々の時代で変えていいのか、ということです。
歴史的建造物を一度壊したらもう建て直しても駄目なように、男系男子の伝統も一度変えてしまったらもう二度と戻すことはできません。
それを容認してしまうのは、日本という国の一時代を担う者として、驕りが過ぎるのではないでしょうか。
ただ同時に、もうこの流れは止められないのかなとも思っています。

Posted by: カチハヤ | October 27, 2005 at 12:47 PM

どうしても男系男子にこだわるのなら、元皇族で男系の血統の方を、皇太子殿下の養子か婿養子に迎えれば良いのではないでしょうか?
旧皇族の皇籍復帰よりは、そっちのほうが現実的でしょう。

Posted by: Baatarism | October 27, 2005 at 02:04 PM

女性天皇を認めた上で、元皇族の中から配偶者を選んでいただくというのが妥当な落としどころではないでしょうか。
強制することはできないにしても、天皇家にお生まれになった以上、完全な自由恋愛は叶わぬ夢。
少なくとも側室を認めたり、旧皇族を復活させるよりはいいと思います。

Posted by: HOMERUN | October 27, 2005 at 10:58 PM

女性天皇を認めた上で、元皇族の中から配偶者を選んでいただくというのが妥当な落としどころではないでしょうか。
強制することはできないにしても、天皇家にお生まれになった以上、完全な自由恋愛は叶わぬ夢。
少なくとも側室を認めたり、旧皇族を復活させるよりはいいと思います。

Posted by: HOMERUN | October 27, 2005 at 10:58 PM

私は、以前は男系継承維持が望ましいと考えていましたが、最近転向しました。

転向した理由のひとつは、男系継承維持を主張する方々の言動についていけなくなったことですが、もうひとつ、守るべき伝統は「男系」という継承のあり方ではなく、「皇室を戴く日本という国」のあり方ではないかと思うようになったことがあります。

皇室のあり方というのは、皇室単独で規定されるものではなく、皇室を取り巻く日本社会のあり方と相互に影響しあって規定されるものと思います。社会全体で男系継承という形が一般的でなくなりつつある中、皇室の継承のあり方が変わることもありうるのではないでしょうか。

Posted by: tomber | October 28, 2005 at 09:08 AM

私はいまの天皇皇后両陛下が大好きです。→小学生の作文のようですが、すなおに心から尊敬しています。だから、長く皇室は続いてほしいと思っているし、側室もあり得べしと思っています。(公にしなければいいのであって)

女帝は歴史上いらしたのでいいと思うのですが、女系を認めるとなると「本当にいいのかなあ」と思っています。しかし、今回の皇室典範見直しは、天皇制の「存続」の一時的措置を最優先したと考えれば、有識者会議の思惑はどうあれ、意外とうまくいくかもと思っています。あと20年後くらいに愛子さまのだんな様を旧皇族から迎えれば「男系」の維持になるし、そのとき愛子さまが女帝であればうまい具合に自然に元の男系に戻せるのではと思って期待しています。

そういえば以前自民党の憲法の会議で、女帝懸念論のなかに「昔は道鏡みたいなのもいましたから」という人もいて、おもしろかったです。

Posted by: さくら | October 28, 2005 at 09:39 AM

直接雪斎先生の発言とは無関係なのですが
さくらさんの仰る「側室」というのはどうも…

男の子を産むために、終生その存在を公にされないと言う境遇に甘んじられる女性が、いまの、そしてこれからの日本にいるのだろうか…とか。

また男の子を出産出来なければ夫が側室を公然持つことをあらかじめ納得して妃殿下として上がるという覚悟のある女性がこれからの日本にいるのか…とか。

またその時の皇太子殿下が、跡継ぎを作るという目的だけで、側室の女性と関係することをよしとすることを納得出来るのか、それこそ皇室に入ることをためらうお后候補の女性に「一生、お守りします」とは言えないのではないか…とか。

なにかといまという時代には、そぐわない気がするのですがねえ…。

Posted by: るびい | October 28, 2005 at 01:01 PM

しつこいようですが、側室については、あまりに悲劇的だと思うので、書かせて下さい。

公になるもならないも、建前としては妃殿下とのお子様でしょうから、側室さんとしては我が子と、親子として外出するなんてことは100%あり得ない話です。これに耐えることを強要することは、皇室の伝統を盾に考えてもむごい話ではないでしょうか。

また公にしないのなら、側室の妊娠期間、妃殿下も妊娠の振りをするか、或いは公務を控えるか、そういう問題も出るでしょう。 

その時の皇太子殿下も、好きで浮気するのとは根本的に違うのですから、妃殿下に愛情があればあるだけ、苦しまれることと思います。
側室におなりの方の一生だって、振り回す形になるのですから、これもまた悲劇です。責任感のある方なら、これまた大変な苦しみを背負って頂くことになります。

こういうリスクを背負う覚悟でなければ妃殿下がつとまらないことになるなら、もはや次の「皇太子妃」は誰もなり手がいなくなる可能性もあるのではないでしょうか。
今の雅子妃に決まるまで、どれくらいの「お妃候補」が「逃げて」いったかを思えば判ります。
(皇室とご縁を持つ位の家であるほど、その苦労を知っているので「逃げる」わけです)
かえって皇室の未来を塞ぐ可能性のある話だと思います。

(そもそも「結婚して家庭を持つまでは、死んではならないと思った」とお考えだった今上陛下も、その言葉を胸に深く刻まれたと伝えられる皇后様も、側室制度の復活など絶対にお認めにならないと思いますが…)

Posted by: るびい | October 28, 2005 at 01:53 PM

>ラスト何マイル 様

<皇室典範考える会>の中には誰とは申しませんが、人間(性)を否定するかのような発言をされている輩も中にはいらっしゃるわけです。
私は雪斎さんのお気持お察し申し上げます。

Posted by: john | October 29, 2005 at 12:02 AM

日本でも女性天皇の誕生は時間の問題のようですが、1500年続いた天皇制も今世紀中に命運尽きると思った方がよさそうな気がします。
女性天皇の問題点は二つあります。一つは、主催者が男子に限られている祭祀をどう執り行なうか。もう一つは、女性天皇の夫に誰がなるかです。

男子に限られていた日本天皇の皇位継承者を女性にも認めようという動きは、男女平等の時代に一見当然のようではありますが物事はそう簡単ではありません。この動きは別にフェミニズムの理解が進んだからではなく、直接の契機は男性の皇位継承者が生まれてこないためです。まさか、性転換するわけにもいかないんで、今世紀なかばには女性天皇の誕生となりそうです。

ここで問題は、祭祀の主宰者です。天皇は単に日本国の象徴(横ですが、当然元首より偉い。元首を兼ねるのは当然)というだけでなく、神道において祭祀を執り行う責任者でもあります。そして今まではその主宰者は男性に限られてきました。女でもいいじゃないか、なんて暴論です。主宰者が男に限られていたからといって男女平等に反するわけではありません。このような伝統を守ったからといって女性一般の権利が侵害されるわけではないはずです。天皇家の祭祀は天皇家の私的行事で国家の行事でもありません。ただ、この問題は男系の天皇が絶えればそもそも存在しなくなるし、この問題を取り上げたサイトも少なくなさそうなので省略します。

最大の問題は、将来天皇になるであろう女性の恋人、夫はあらわれるだろうか、という点にあります。間もなく結婚する現天皇の長女でさえ、皇籍離脱するのにも拘わらず婚約者を見つけるのにあれだけの苦労です。それにその相手も、あの年で風俗を知らないとも思えないけど、週刊誌の報道ではかなりの変わりモン。当たり前ですよね。夫婦喧嘩もできないし、風俗で遊ぶのもご法度、離婚なんか論外という立場です。はたして、ヒモまがいの存在として一生を送ろうという立場にまともな男が甘んずるわけがない。
結論は見えてます。およそ、女も魅力を感じず、皇室もこんな婿じゃ娘が可哀想というような男しか将来の女性天皇の夫に立候補するはずがないのです。
可哀想に、女性天皇の可能性あり、となった段階でその内親王は行かず後家の命運が定まるわけです。愛子様も、片思いはともかく、恋愛も結婚もチャンスはゼロに近いんじゃないでしょうか。

遠縁でもいいんで、男性天皇にした方が天皇制のためと思いますけどね。

ちなみにとんぬら自身は天皇制存続に大賛成です。

Posted by: とんぬら | October 29, 2005 at 07:37 PM

皆さん、ありがとうございます。
 この件、エントリーをひとつ用意いたしました。

Posted by: 雪斎 | October 30, 2005 at 04:36 PM

三笠宮寛仁殿下が[女帝に疑問」は2000年の皇室を守りぬいた宮中人を代弁して御決断し。、女帝容認論の流れを止めた。政府は殿下の正論を正しい道に導いてください。

Posted by: 山河 | November 08, 2005 at 08:45 AM

高貴なイギリスの貴族は戦争になつたとき、将校として兵隊の先頭に有る義務があつたのです。愛子女帝も婿に旧皇族と御結婚する、制限を受けるのをお断りになるなら、市民と御結婚すべきです。今回女性皇族を認めると,ねずみ算式に皇族が増えていくでしょう

Posted by: 山河 | November 22, 2005 at 07:37 PM

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