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October 18, 2005

お約束の「靖国参拝」

■ 「ところで、騒いでいるのって誰よ…」。小泉純一郎総理が昨日午前に靖国神社に参拝したけれども、此度の参拝は、「サプライズ度」のかなり低いものであった。昨日、「永田町」では、靖国のことは話題になっていなかった。「その内、参拝するであろう」と判っているものを一々、話題にしても仕方がない。政治の現場は、暇ではないのである。
 こういう案件では、「中韓両国だけが反発する」というのは、「規定」の光景になっている。多くの日本国民は、そうした光景を眼にしても、もはや驚かない。「おや、大変だ」と思うよりも、「またやっているな」と思うのが、関の山であろう。結局、中韓両国は、「反日カード」を余りにも簡単に使ってしまったために、その「カード」の効用を著しく減らしている。そして、日本のメディアは、中韓両国は「反日カード」を使うかもしれないという懸念を煽り立てて、結果として「反日カード」の効果を減らしている。「中韓両国の反発」を強調する日本のメディアは、何と愛国的な存在であろうか。もし、雪斎が中国政府のエージェントであるならば、「靖国」程度では動じることなく「友好ムード」を盛り上げるのだが…。『共同』の記事である。
 □ 「断固反対」と中国大使 報復的措置の可能性も
 【北京17日共同】中国の王毅駐日大使は17日、小泉純一郎首相の靖国神社参拝を受けて「中国政府は小泉首相のいかなる形式での靖国参拝にも断固反対する」との談話を発表した。中国側が対日姿勢を硬化させるのは必至で、従来の首脳相互訪問拒否に加え、経済、文化など政治以外の分野で報復的な措置に踏み切る可能性も否定できない。
 中国では同日未明の有人宇宙船「神舟6号」の無事帰還で祝賀ムードが広がっていただけに、首相の靖国参拝で冷や水を浴びせられた形だ。新華社通信は、靖国参拝をただちに報道した。
 胡錦濤国家主席は9月3日の演説で、日中関係に多くの時間を割き対日重視を堅持する姿勢を表明。中国としては、抗日戦争勝利60周年の一連の記念活動に一区切りを付け、関係改善の機運をつくろうとしていた。

 「報復的措置って何よ…」と思う。拙ブログの看板を御覧頂きたい。「強く辛辣な言葉は論拠の弱さを示唆する」である。この「報復的措置」は、記事をよく読めば「一見、中国大使の発言だが、実は記者の観測」である。こうした「報復的措置」を実際にやれば、実際の影響を大きく被るのは、中国のほうである。そうした事情が既に判っているのに、こういう「報復的措置」の可能性に言及するのは、率直に「時宜を得ない」ものだなと思う。

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「国際情勢」カテゴリの記事

Comments

おはようございます。
本日はどこのブログも靖国ですね。笑っちゃうのは「有人宇宙船「神舟6号」の無事帰還で祝賀ムードが広がっていた」ってこれは日本も一緒に祝賀しろってことですか??
 私の伯父は硫黄島で若い命を失いました。仏壇にその遺影(白黒の写真)があります。祖母はその伯父が私の息子に性格までそっくりだといいます。最近ボケて、伯父の名で長男を呼んだりもします。とても優しい子だったそうです。人を殺すようなことが出来る子ではなかったそうです。でも、国や家族のために、あの凄絶な島で戦いぬいたのです。優しく真面目だからこそ戦いぬけたんです。目頭が熱くなります。その命をもらって、僕らは生きているんです。遺品の穴の空いたハンゴウを大切にしたいと思います。日本人として・・
 小泉首相さま。ありがとう・・祖母のかわりにこの場でお礼を申し上げます。
 


Posted by: SAKAKI | October 18, 2005 at 10:00 AM

雪斎さま
 小泉首相の参拝は全く予想通りのことで、今更コメントすることはありません.判らないのは中国、韓国の反応です.本当に靖国参拝を止めさせたいなら、この2年近い間に、硬軟併せた何らかの本気の外交的働きかけが(マスコミに出ないところで)行われていたはずなのに、その兆候が見えませんね.あったんでしょうか.本当に無かったのならこれこそ問題で、日本外交の停滞より、中韓両国の対日外交機能不全の方がはるかに深刻ではないでしょうか.日本が変われば日中韓の関係が旨く行くというような主張が往々見うけられます.たしかに日本からの働きかけは大切でしょうが、それを受け止める中韓両国の外交力が確実に弱体化している気がいたします.

Posted by: M.M.生 | October 18, 2005 at 03:24 PM

さっそくその「報復的措置」を示唆してる国がある
ようですな。外交感覚ってここまで劣化できるもん
なんですなぁ(笑

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20051018ia01.htm

Posted by: おおみや%バイト君 | October 18, 2005 at 07:29 PM

靖国参拝問題を日本国内で日本人が議論する分にはともかく、たとえ反対派の人間といえども、他国の、それも明確にファッショな国家が口を出すことには、侵略行為として「NO!!」を言うことは、いわばこの議論に参加する前提ではないでしょうか?
日本の似非リベラル勢力はその構図ができたときに終わってしまったし、そういう構図を作ってしまった小泉さんという人は、なんとも食えない政治家だと思います。


Posted by: KU | October 18, 2005 at 10:21 PM

>「中韓両国の反発」を強調する日本のメディアは、何と愛国的な存在>であろうか。

これは皮肉ですか(w
中韓両国の反発は想定の範囲内ですから、フジテレビのニュースジャパン以外の報道・ワイドショーは反対一色で、全体主義の国のメディアみたいで非常に不気味です。

Posted by: うー | October 18, 2005 at 11:01 PM

>「強く辛辣な言葉は論拠の弱さを示唆する」
含蓄のある良い言葉ですね。いろいろな国や報道機関や言論人やブロガー(左右問わず)が目に浮かびます(笑)

>結局、中韓両国は、「反日カード」を余りにも簡単に使ってしまったために、その「カード」の効用を著しく減らしている。そして、日本のメディアは、中韓両国は「反日カード」を使うかもしれないという懸念を煽り立てて、結果として「反日カード」の効果を減らしている。

中国韓国共にもう必死ですね。断末魔の叫びというか。
中韓は政府主導の洗脳で国民に散々反日感情を煽ってきたツケで、日本に対して強硬な反応をしないと人心を繋ぎ止められなくなっています。

一方、中韓の反日プロパガンダの論拠の薄弱さはますます世界に周知のものとなりつつあり、それに対する風当たりが強まりつつあります。中国韓国両国政府はそれに感づいているに違いありません。しかし国民の手前、反日の旗を降ろすこともままなりません。反日という劇薬を常用してきた中韓は、その劇薬によって今や中毒状態にあるとも言えます。追い込まれているのは中韓の側だと思います。

日本は中韓が熱くなってカッカすればするほど、冷静になって対処するべきと思います。そのような日本の態度によって中韓の理不尽で根拠薄弱な反日言動の異常性がますます際だちますから。靖国参拝賛成派の中でも一部には不評のようですが、私は小泉政権の冷静な対応にはかなりの高い評価をしています。

Posted by: まったり | October 19, 2005 at 12:43 AM

早速、町村外相の訪中拒否ですか。
まあ、それもいいんじゃないかと思います。

「パックスブリタニカ」の栄光は、大陸国家群からの賢明な孤立を保った成果です。そのデンでいくとああいう人々とはお付き合いしないほうが賢い。
いかに繁栄を謳ったところで、「あの国々」は世界の辺境でしかありません。大戦略において、米、英、欧、露との距離をどうとるかが外交の本質的課題でありましょう。いってみれば、世界の片隅の異常な地域の異常な人々の反応なぞ、どうでもいいことです。

それにしても、一国の首相の箸の上げ下げまで隣国に文句いわれることの異常さに、一般の国民はもう十分に気付いてます。これもまたひとつの「小泉劇場」でしょうか。日本民族の敵は誰なのかをクリアに示したことも、彼の功績のひとつでしょう。

ともあれ、戦争以外にも、ひとつの国家を追い詰め、崩壊させる方法はいくつもあります。
あの国々の成長に、わが国は必要ないというのならどうぞご勝手に。わが国が本当にその気になって、20年くらい昔に引き戻して差し上げてもいい教訓になるかと。まあ、50年から60年前の政治体制の国家群ですから、経済だけ繁栄するいびつさを直して差し上げるのもまた善行のひとつだと思いますが。

Posted by: 雪風 | October 19, 2005 at 12:50 AM

外相訪中と靖国参拝
http://www.nikkei.co.jp/seiji/column.html
外相の突然の訪中の意向について、永田町では「外相留任をアピールする猟官運動だ」と冷ややかに向きもあった。だが、外相周辺は「近々とされる小泉純一郎首相の靖国神社参拝に備えた行動だった」と解説して見せる。

町村外相の訪中拒否も折込済みだったのではないかと思われます

Posted by: 通りすがり | October 19, 2005 at 01:43 AM

私も中韓の反応は解せないです。こんなに率直に無力感を表明しちゃうなんてちょっと信じられない感じです。メディアも中韓をこれ以上いじめないほうがよいと思うのですが。このラプソディは「お約束」というか「想定の範囲内」というか、要は恒例行事なので「おはよう日本」以外は、ニュースを見ませんでした。不純な動機でこの番組を見ていること自体は否定いたしませんが。

Posted by: Hache | October 19, 2005 at 02:05 AM

 皆さん、ありがとうございます。
 国際政治を専攻する立場からすると段々、このネタは、どうでもよいことになっています。「靖国」でぐだぐだになっている暇があったら、「商売」の心配をしていたほうが、余程、いいのではないかと思います。
 日本のメディアが騒ぐから、中韓両国も反応せざるを得なくなる。「知らぬが仏」ということもあるはずなのですが…。

Posted by: 雪斎 | October 19, 2005 at 04:09 AM

左翼系の市民団体20人ぐらいのデモを増幅して伝えたり、市民団体の執拗な繰り返しの靖国裁判を報道し続けるマスコミは、有害だと思いますが、
こういうものを淘汰していく方法は無いのでしょうか?
今回の靖国報道も気が狂ったような報道ぶりで、うんざりしました。
こういうものを載せるために、毎日何万トンもの紙が
印刷され、何万人もの人間が配達して廻っている。
この無駄さ加減に眩暈がします

Posted by: 一般国民 | October 19, 2005 at 07:07 PM

今更ながら、外交も商売も相手国の民度に合わせなければならないのだと痛感しました。こういう煽り方もあるのですね。中国政府はなかなかしたたかですが、韓国政府はどうなんでしょ?

Posted by: ちびた | October 19, 2005 at 11:43 PM

おはようございます。

私は、35歳ですが、私の父は85歳で、真珠湾にも海軍だったので、従軍しています。その父の弟は沖縄戦で亡くなり、骨も出てきていません。そのため、父はお墓参りの後、必ず福岡の護国神社にお参りします。

さて、台湾の李登輝・前総統が、小泉総理の靖国参拝についてコメントしてありましたので、ご参考まで。
また、私の関心は、日本の国連の常任理事国入りに関連して、国連への分担金の話が出てきていることです。雪斎様はご関心がありますか。お考えを伺えれば幸甚です。

【サーチナ・中国情報局】台湾の李登輝・前総統は、「小泉純一郎首相が、国のために命を落とした英霊を祭る靖国神社を参拝することは当然のことだ」と発言した。17日付で中国新聞社が伝えた。
また、「2006年春頃には、再び日本を訪れ、奥の細道を歩きたい」などと表明。ただし、「私人」としての旅行となり、日本の政界人と会談する意向はないことを明らかにした。
中国では、小泉首相の靖国神社参拝により、「小泉批判」が高まるのは必至。それと同時に、日本の首相の靖国神社参拝を支持したとして、「李登輝批判」も高まる可能性が強い。

【ワシントン17日時事】李登輝前台湾総統は17日、ワシントンに到着した。李氏のワシントン入りは、1988年から2000年までの総統在任中とそれ以降で初めて。中国は訪米に強く反発しているが、李氏は記者団に対し、総統を退いた後の私的訪問に「文句を言うのはおかしい」と反論した。
 また、小泉純一郎首相が靖国神社を参拝したことについて李氏は、「英霊を慰めるのは国の指導者がやるべきことだ」と述べ、正しい行動として擁護した。
 台湾の独立派が精神的指導者と仰ぐ李氏はこの日、ニューヨークから車でワシントンに向かう途中、フィラデルフィアで「自由の鐘」を見学。ワシントンの国立公文書館でジェファーソンが起草した独立宣言などに見入った後、ジェファーソン記念館を訪問した。

【ニューヨーク 産経新聞】中国の王光亜国連大使は十八日、日本が国連予算の分担率見直しを提案していることに対し、「分担率の決定は総会に任されている。加盟国は加盟国間の合意に従って分担金を支払うべきで、日本の『脅し』は加盟国に対する政治的圧力だ」と強く反対する姿勢を示した。産経新聞の質問に答えた。
 王大使は、分担率の算定に「地位と責任」を反映させるべきだとする日本の主張に「分担率と安全保障理事会での地位は何の関係もない。中国の分担率は支払い能力の原則に基づき、全加盟国の間で合意された条件によって承認されたものだ」と反論した。
 中国の代表はこの日開かれた総会第五委員会(行政・予算)で、分担率の変更や負担増に反対する演説を行った。
 一方、米国のボルトン国連大使は同日、上院外交委員会の公聴会で分担率問題に言及。日本の分担率が米国以外の四常任理事国の合計を上回っていることを指摘し、「常任理事国入りが実現しない場合、19%の高い分担率を維持できないという主張が出てくることには相応の理由がある」と理解を示した。

Posted by: take | October 20, 2005 at 09:24 AM

> M.M.生さん
中国は国内を押さえるので手一杯なのでしょうね。
下では農民や労働者の暴動が頻発し、上では胡錦濤政権と軍部、江沢民派、地方権力が政争を繰り広げている、そんな状況では対日外交を進める余裕などなく、胡錦濤も国内の強硬派へのサービスとして対日強硬姿勢を採るしかないのでしょう。
韓国は民族主義のドグマで雁字搦めですから、これをどうにかしないとどうしようもないでしょう。
ただ、金正日がほくそ笑んでるのは癪ですね。西新井病院の件で何か明らかになってほしいものです。

Posted by: Baatarism | October 20, 2005 at 11:03 AM

×:中国、韓国の反発は必至だ
◎:中国、韓国の反発は必須だ

Posted by: peace | October 22, 2005 at 05:30 PM

中国出張
小泉首相「靖国参拝」の翌日から中国出張に行ってきて昨日帰国しました。
何か起きるのかな?と多少緊張して出掛けてきましたが表面上特に何もなく、無事過ごしてきました。徒に騒擾を好む人ばかりではなく正直ほっとしました。
私は中国語は喋れないので、彼の地の人と突っ込んだ話は出来ないのですが、一度「自分の父が犯罪者だったら、その父の墓参りはしないのか?」と聞いてみたいと思っております。

Posted by: k.onigawara | October 23, 2005 at 12:24 AM

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