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October 29, 2005

「永田町」の一箇月

■ 先月二十九日付で政策担当秘書に正式に着任して以降、一箇月が経った。この一ヶ月で雪斎の体重は、六パーセント程、減っている。さしたるダイエット法を試みたわけでもないのに、この減少は大したものである。ウェストは、ベルトの穴二つ分、絞り込まれている。そういえば、永田町の住人に、「太った人々」は、あまり見当たらない。永田町界隈で「太った人々」を見かけるとすれば、それは、多分に外から来訪した人々であろう。
 永田町は、居るだけでエネルギーが消費される「空間」である。さあ、これから食わねばな・・・。以前、日本テレビで放映された政治ネタのドラマに『レッツゴー、永田町』というのがあったけれども、そこでは、事務所関係者が「肉鍋」を囲むシーンが矢鱈に多かったような気がする。「永田町の人々は肉がお好き」というナレーションまで付いていたと記憶している。
 そういえば、雪斎のとある日の一日の食事は、次のようなものであった。
 朝、鶏肉、玉子入り讃岐うどん
 昼、豚カツのサンドウィッチ・野菜ジュース
 夜、飛騨牛の牛丼
 一日三食、「肉」である。いいのか悪いのか…。

■ 昨日、自民党党規委員会での審査の結果は、造反議員の大勢に「離党勧告」である。造反議員にしてみれば、すっきり「除名」とされたほうが、「吹っ切れた対応」を取れたかもしれないけれども、これでは…。
 まだまだ、「永田町の怪談」は続く。

■ 自民党が「新憲法草案」を決定した。『朝日』は、次のような記事を配信している。

 □ 自衛軍を明記、戦争放棄は条項維持 自民が新憲法草案
                        2005年10月29日
 自民党は28日、現行憲法を大幅に改正する内容の「党新憲法草案」を決定した。9条については、1項の戦争放棄条項は維持する一方で、「自衛軍」の保持を明記した。自民党はこの条文なら集団的自衛権の行使は可能としており、自衛軍に「国際平和の確保のための国際協調活動」を認めることで海外での武力行使を伴う活動にも道を開いた。また、「国の環境保全の責務」という形で環境権を盛り込むなど、将来の改憲実現に向けて民主、公明両党の主張に配慮も示した。
 11月22日の自民党結党50年記念大会で正式発表する。現行憲法下で主要政党が憲法改正の条文案をまとめたのは初めて。
 同党は草案をもとに民主、公明両党などと改正の協議を始めたい考えだが、小泉首相は06年秋までの任期中は政治日程に乗せない考えを表明している。また、改正の手続きを定める国民投票法も未整備なうえ、3党間には安全保障分野などで憲法観の隔たりがある。このため改正への具体的見通しは立っていない。
 草案は前文に続き第1章「天皇」から第10章「最高法規」まで、構成は現行憲法をほぼ踏襲した。9条だけからなる第2章のタイトルは現行の「戦争の放棄」から「安全保障」に改めた。
 9条1項は8月上旬時点の条文案では、平和主義の理念を堅持するとしながらも、文言を書き換えていた。だが、草案を作成した党新憲法起草委員会幹部によると、小泉首相が「国民が支持し、国際的に認められている」などとして現行憲法の維持を指示した。
 現行の2項にある戦力不保持と交戦権否認を削除する一方で、別に9条の2を設け、「自衛軍保持」を明記。自衛軍の目的を「我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保する」とした。任務としては自衛、国際協調活動のほか、「緊急事態における公の秩序を維持、または国民の生命、自由を守るための活動」としてテロ対応や自然災害救助を盛り込んだ。
 現在の政府解釈では行使を禁じられている「集団的自衛権」の行使の要件や範囲は、今後制定する安全保障基本法などで具体的に定めるとして結論を先送りした。
 前文は全面的に書き換え、「日本国民は、自らの意思と決意に基づき、主権者として、ここに新しい憲法を制定する」とうたい、党是の「自主憲法制定」を強調した。
 ただ、今月上旬の前文原案の段階で「国を愛する国民の努力によって国の独立を守る」などとして盛り込んだ愛国心、国防などの考えは「国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有」と変えた。
 憲法改正手続きの国会発議の要件は、現行の衆参各院の「3分の2以上」から「過半数」に緩和し、柔軟に改正できるようにする。
 自民党の改憲案は03年夏、小泉首相の指示を受けて党憲法調査会が検討を開始。今年初めから党新憲法起草委で首相経験者や民間人を交えて議論してきた。首相は28日夜、記者団に対し、9条1項を維持したことについて「自衛のための部隊について誤解されないよう明記しないといけない」と述べた。

  ◇ 自民党新憲法草案の骨子
【前文】
 象徴天皇制を維持。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の基本原則を継承。国民は帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有する
【安全保障】
 戦争放棄は維持。9条の2で自衛軍の保持を明記
●環境権などを規定
【権利・義務】
 国民の「責務」を盛り込む。新たに個人情報保護、知る権利、環境権、犯罪被害者の権利、知的財産権を規定
【政教分離】
 国の宗教的活動は、「社会的儀礼の範囲を超えず」「特定の宗教を援助、助長または圧迫、干渉」しない限りで容認
●改正要件を緩和
【改正要件】
 衆参各院の総議員の過半数の賛成で国会が議決し、国民に提案して承認を経る

 これは、かなり現実主義的な草案であろう。憲法は、普通の政策課題と異なり、国民各層のできjるだけ多くが納得する形で制定されるべきものである。自公両党で衆議院三分の二を占める勢力を手にしていても、民主党や他の野党の異論を押し潰すような手法は、「憲法制定」の過程では「禁じ手」である。
 もっとも、この草案は、イデオロギー色の濃い保守層からは、だいぶ評判が悪そうである。『時事通信』は、次のような記事を配信している。

  □ 憲法前文、保守色排す=9条1項変更せず「自衛軍」明記-自民草案
 自民党は28日、新憲法起草委員会(委員長・森喜朗前首相)の全体会議と政調審議会、総務会を相次いで開き、新憲法草案を決定した。結論が先送りされていた「前文」は、中曽根康弘元首相が中心にまとめた保守色の強い内容を大幅に改め、象徴天皇制の維持や環境保護の理念などを盛り込んだ。
 焦点の9条では、戦争放棄をうたった1項を現行憲法のまま変えず、2項で自衛軍保持を書き込んだ。また、活動内容に国際貢献や緊急事態への対応を追加した。将来の憲法改正の具体化を意識し、民主党などと歩み寄りの余地を残した。
 草案は現行憲法の99条(補足を除く)に対応する形で構成。前文と9条改正については同日午前、小泉純一郎首相と森氏が会談し、最終決定した。

 保守イデオロギー色の強い「憲法草案」は、十年前に提示されたものであるならば、意味があったかもしれない。しかし、実際に具体的な制定作業を見据えた議論に入るならば、別の考慮が必要とされる。
 ところで、この憲法制定作業は、何時頃に「佳境」を迎えるのであろうか。小泉総理任期中に決着が付くのは、国民投票法案の制定であろうから、実際には「憲法草案」策定と実際の発議、国民投票に費やされるのは、「小泉以後」の歳月である。この歳月が何年になるのかは判らない。雪斎は、「永田町には、最長四年限定で居る」という目論見を改めなければならないかもしれない。


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Comments

 今回の憲法草案で、もっとも重要なのは、
改正要件の緩和なのではないでしょうか。

たしかに、いろいろ異見がでてくる内容だと思います。
しかし、衆議院議員三分の二の勢力を獲得することにより、
憲法改正を、空想ではなく、
ある程度現実的な案件となし得た前回の選挙が、
何を争点としたものであったかを考えると、
現行憲法の大きな変更は求めるべき物ではないと考えます。

問題点の把握と分析による修正という
フィードバックを可能な憲法にすることが最重要であり、
その他のことは、それからでよいと愚考する次第です。

Posted by: MUTI | October 29, 2005 at 12:09 PM

うーん、「永田町式ダイエット」ってここまで
効果的なんですねぇ。しかし、このダイエットに
伴う活動量を想像してみると、私自身が試みる
気には正直なれません(笑

Posted by: おおみや%バイト君 | October 29, 2005 at 05:43 PM

・MUTI殿
改正要件の緩和が「肝」というのは、そのとおりだとおもいます。
・おおみや殿
このダイエット法は、余り薦められませんな。

Posted by: 雪斎 | October 30, 2005 at 04:43 PM

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