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July 14, 2005

海軍の「縁」

■ 昨日は、色々な人々に会った。午後はT・A氏に会った。氏は、大正10年生まれとのことだから、今年で85歳くらいなのであろう。氏は、戦前、海軍兵学校、海軍大学を経て、戦時中は主に重巡洋艦・熊野に乗り組み、ガダルカナル作戦に参戦した。ガダルカナル作戦中、氏が偶々、駆逐艦に乗り合わせた折りに、米軍戦闘機の体当たり突入を受ける。氏は、昭和19年秋のレイテ作戦直前に、内地での教官任務を命ぜられ、熊野から離艦する。熊野は、レイテ作戦に参戦し、米軍の攻撃を受けた結果、戦闘不能となり、程なく沈没する。その経緯は、こちらのサイトに詳しい。1100名を数えた熊野乗組員の内、病気療養・転属の理由で生き残ることが出来たのは、僅かに100名であった。氏は、戦後、鉱山会社勤務を経て、私立大学教授を務めた。
 氏は、戦前期の日本が養成した「最高の逸材」の一人であった。そうした「逸材」の中で生き残ることのできた数少ない人物が、日本の「戦後」を支えた。凄い人物の知遇を得たものだと思う。

■ そして、夕刻以降、「読売・吉野作造賞」の贈賞式に加わる。今年の受賞者は、阿川尚之先生である。受賞作は、『憲法で読むアメリカ史 (上・下)』 (PHP新書)である。阿川先生、おめでとうございます。雪斎も嬉しかった。阿川先生には、『それでも私は親米を貫く』(勁草書房)という書があるけれども、拙書『奔流の中の国家』は、同じ勁草書房の編集者M女史に手掛けてもらった。雪斎は、そうした点でも阿川先生には親しいものを感じている。ところで、阿川先生のお父上、弘之氏は、『米内光政』、『山本五十六』といった海軍の群像を題材にした作品を残しているし、阿川先生もまた『海の友情』(中公新書)という戦後日米海軍交流史を書いている。昨日は、海軍との「縁」を感じさせる一日であった。

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Comments

>そうした「逸材」の中で生き残ることのできた数少ない人物

残念ながら、我が国は先の敗戦により、こういう人物を
多数失ってしまいました。しかしながら、生き残った皆さ
んが彼等の分まで頑張ったからこそ、今の我が国が
あるのだと思います。σ(^_^;はこの国をどうやって、
彼等から見て恥ずかしくないかたちで次世代に引き
継いだらよいのか....などとぼんやり夢想してみてたり
するのです(笑

Posted by: おおみや%NEET | July 16, 2005 at 01:26 AM

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