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July 29, 2005

郵政政局の虚実

■ このところの雪斎の表情を知りたい方は、こちらの写真をどうぞ。もう、何もいうまい…。

■ 「郵政」絡みで「決戦は金曜日」とのことだから、現在の段階になると流石に色々な発言が出てくる。次の三つの記事は面白い。

  □ 「民主と連立躊躇せず」冬柴幹事長、郵政反対派けん制
 公明党の冬柴幹事長は27日、東京・内幸町の日本記者クラブで講演し、参院で審議中の郵政民営化関連法案が否決され、衆院解散・総選挙となった場合の対応に関して、「(自民党が敗北すれば)民主党とは組みたくないが、政治の安定のために選択がそれしかないのであれば、躊躇(ちゅうちょ)すべきではない」と述べた。
 法案否決に伴う衆院選の結果、自公連立が解消され、自民党が下野する可能性を示唆することで、同党内の法案反対派をけん制する狙いがあるとみられる。
 ただ、冬柴氏の発言に対し、公明党の神崎代表は同日の記者会見で、「(民主党との連立を)党として議論したことはない。自公連立の立場で選挙をする以上、その結果の責任を負う。(敗北すれば)自民党とともに下野する」と述べ、事実上打ち消した。公明党幹部は「法案の成否が微妙な時期だ。冬柴氏の発言は、かえって自民党内の法案反対派の反発を招きかねない」と指摘した。草川昭三参院議員会長は同日、自民党の青木参院議員会長に公明党の立場を説明した。
 これに関連し、小泉首相は同日夕、記者団に「法案成立に全力を尽くしている。そういう事態にはならないと思っている」と語った。 ―読売

  □ <自民派閥総会>各派領袖から「解散回避を」の声相次ぐ
 28日の自民党各派総会で、各派領袖から、法案の否決に伴う衆院解散・総選挙の回避を求める発言が相次いだ。小泉首相を支える森派では、森前首相が93~94年の野党経験に触れ、「解散は避けなければいけない。あんなつらくてみじめなことはなかった。簡単に政権を失うことをすべきではない」と訴えた。―毎日

  □ 岡田氏、単独政権を強調 冬柴発言に民主反発
 民主党は28日、公明党の冬柴鉄三幹事長が衆院解散・総選挙後の民主党との連立政権の可能性に言及したことに「公明党は与党であるために何でもするということになる」(岡田克也代表)と批判を強め、総選挙で過半数の議席を獲得を目指し「民主党単独政権をつくる」(同)との方針を鮮明にした。
 岡田氏は同日午後、国会内で記者団に冬柴氏の発言について「論評に値しない。有権者からみると、やっちゃいられない」と述べた。連立相手の自民党と協力して次の総選挙に臨む姿勢でいながら、敗北した場合にはパートナーを替えるという冬柴氏の考えは認められないという立場だ。
 民主党内では冬柴氏の発言は、自民党内の郵政民営化反対派への「けん制の意味もある」(岡田氏)との見方が大勢。―共同

 冬柴氏の発言は「自民党内反対派への牽制」の意味合いを持つとの説明は、本当であろうか。公明党が他党との連立を通じてでしか政権に与ることができない以上、その連立の相手は、「誰でもよい」の本音ではないであろうか。雪斎は、政権参加を目指さない政党は、政党たる資格を有しないと思っているので、冬柴氏の発言には、その意図はともかくとして、すっきりしたものを感じている。
 この関連でいえば、郵政民営化反対派自民党議員は、法案を否決に追い込んだ後の確たる展望を持っているのであろうか。法案否決後に小泉総理が「自爆解散」に踏み切るという観測が実しやかに語られているけれども、そもそも「自爆」の色彩が濃いのは、反対派による郵政法案否決である。反対派議員は、法案否決が「小泉政治」に引導を渡すだけのものに終わると踏んでいるふしがあるあるけれども、その読みの根拠は、一体、何であろうか。
 それにしても、岡田氏の発言は、阿呆な発言である。雪斎が岡田氏の立場なら、冬柴氏の発言を無下に一蹴するようなことはしない。その一方で、冬柴氏の発言に乗ずるような素振りも見せない。要するに、「与党のことは与党のことだ」と静観する構えを示すであろう。岡田氏の発言は、民主党が次期選挙の結果、「単独過半数を制しない第一党」となった場合を想定していない。現在の自民党ですら、「単独政権」ではない。もし、民主党が「単独過半数を制しない第一党」となり、公明党と組みさえすれば政権を奪回できる状況が出現したときに、岡田氏は、「公明党とは組まない」という自らの言葉の通りに、みすみす政権掌握の機会を逃そうとするのであろうか。まさか共産党と組むことを考えているわけではあるまい。余計なことを口にしてはならないのである。岡田氏の「軽輩」ぶりを示すエピソードは多くあるけれども、これも、一つの事例であろう。無論、冬柴氏の「秋波」に簡単に舞い上がることが、却って自民党内に政権喪失への危機意識を刺激し、その結束を促すことになるという判断それ自体は、正しいものでああろうけれども、物事には言い方がある。

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Comments

雪斎様
岡田発言に関する評価、同感です。
何か公明党に対する連立工作とかやっていての発言なら、それなりの意味があるのでしょうが。この人、そういう気の利いたところも全くないようです。
かんべいさんのサイトでいろいろシミュレーションされていましたが、民主党っていうのは何とかなる政党なんでしょうか?

Posted by: さぬきうどん | July 29, 2005 06:37 AM

冬柴さんは、一昨年の総選挙前にも「場合によっては民主党との連携も選択肢になる」というような、同じことを言っています。あのときはケシカランと怒ってましたが、いまは反対派の皆さんもこれくらい政権に執念を持っていただきたいと妙に感心しちゃいます。
反乱軍政権樹立の幻想じゃなくて、自民党政権という大枠に、ですが・・・

Posted by: さくら | July 29, 2005 09:51 AM

政治は「お子ちゃま」にやらせてはいけませんねえ。民主党は、こんなタナボタで政権をとってはいけないと思います。

Posted by: かんべえ | July 29, 2005 10:49 AM

マスコミに切り貼りされて、民主への誘いとか自民への牽制のような趣旨になっていますが、その発言の前段で冬柴氏は民主をきっちり叩いています。
おそらく彼はマスコミに切り貼りされるのも計算に入れてこの発言をしたのではないかと。
公明にしてみれば、自民への牽制、民主叩き、民主との連立の可能性を残す、3つとも自党の利益になる話です。
マスコミの切り貼りを利用して本来なら相反する3つの意図をひとつの発言に盛り込んだのではないかと思います。

Posted by: roomer | July 29, 2005 01:10 PM

もし小泉首相が岡田氏の立場であったら、「与党のことは与党がお決めになることです」と繰り返して、記者の問いをさらりと交わすでしょうね。
岡田氏の相変わらずのお子様振りには、本当に呆れ返ります。公明党の政策は、自民よりむしろ民主に近い印象がありますし、本当に政権をとるつもりなら、公明との連立は当然選択肢に入れなければならないと思うのですが…。

Posted by: 藤田 | July 29, 2005 03:10 PM

初めて書き込みさせて頂きます。
正式に会見などで発言した見解を無かったことにするのがお得意の政党ですので、そうなったら「いやー、公明党さんがそこまでおっしゃるなら」と鼻の下を伸ばしてあっさり連立するでしょう、民主党なら。
しかし郵政反対派の諸氏は内閣支持率と政党支持率を見較べられるお時間は密談に忙殺されてないのでしょうか?半数近くの国民は明らかに「小泉自民党」にしか応援する気がさらさらなく、昔ながらの自民党にはとうに引導を渡しているのではないかと思うのです。
王道党の皆様に内閣支持率の4割、あるいは自民支持の3割がどの程度自分達にスライドすると踏んでおられるのか伺いたいものです。
高村元外相が言っておられましたが「党内で罵り合う今の自民党で選挙は勝てない」というのは事実だと考えます。
まあそういう事態を引き起こしたのは明らかに反対側の人々で(高村氏も含め)、代償が高くつくのも覚悟の上、でなければ到底あんなことはなさらないだろうと敬服するばかりです。

Posted by: まつり | July 29, 2005 04:41 PM

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