« 中国における「外交感覚」の劣化 | Main | 中露蜜月の幻想 »

June 30, 2005

日中関係は今が「底」か。

■ このところ中国ネタを扱っていると、精神が荒んで来そうなので、バランスを取る意味で次の三つの記事を考えてみる。

  □ 【中国】日中外交関係は今が「底」か?今後には楽観的な味方も
 日中の外交関係について、現在はどうで、今後どうなると思うか、中国の一般消費者に聞いたところ、現在については、反日デモ直前の同年3月に行った前回調査に比べ、かなり悲観的な数値が出ている一方で、今後については、むしろよくなるのではないかと考えている傾向が調査の結果、明らかになった。
 これは、「サーチナマーケティング」を運営し、中国に特化したビジネスリサーチを展開する株式会社サーチナが、上海新秦信息諮詢有限公司(上海サーチナ)などを通じて、自社で保有管理する消費者モニターを利用したインターネット調査を実施、中国消費者の対日感情を探ったもの。2005年版としては、1-3月調査として、3月に行った調査に続く2回目。
 今回の調査は、2005年6月9日から21日まで、上海サーチナが運営する「新秦調査」オンラインモニターをメールDMによって調査アンケート票URLに誘導して行われたもの。北京市、上海市、広東(カントン)省、遼寧(りょうねい)省、四川(しせん)省を中心に、中国全土の一般消費者、男女2000人から有効回答を得た。
 現在の政治、歴史、領土を含む日中の外交関係についてどう思うかを聞いたところ、「非常に良好だ」は2.90%、「まずまず良好だ」は9.75%となった。これは前回の05年版1-3月調査と比べてそれぞれ低い水準。前回調査では、「非常に良好だ」は3.45%、「まずまず良好だ」は11.30%だった。
 今後の日中の外交関係についてどうなると思うかを聞いたところ、「非常によい方向に行くだろう」との回答は3.40%、「まずまずよい方向に行くだろう」が13.35%。これは、前回調査と比べて、それぞれ高い水準。前回調査では、「非常によい方向に行くだろう」が3.30%、「まずまずよい方向に行くだろう」が12.55%だった。
 ただし、今後の日中外交関係についてでは、「全くよい方向には行かないだろう」との回答が、前回13.90%と比べて、今回の調査では15.85%と若干増えている。懐疑的な人も根強くいる一方で、「よい方向」にいくと考える人が増えていることは、多くの中国の一般消費者の間で、現在の日中の外交関係が底の状態と思っている人が多いことを示す。
 現在の貿易や企業活動などを含む日中間の経済関係についてどう思うか聞いたところ、「非常に良好だ」は3.90%、「まずまず良好だ」は29.75%だった。前回調査では、「非常に良好だ」が4.85%、「まずまず良好だ」が30.85%だった。一方、前回23.65%だった「あまり良くない」は24.50%、前回6.95%だった「非常に悪い」が7.30%となぅている。
 今後の日中経済関係についてどうなると思うかについて聞いたところ、前回4.05%だった「非常によい方向に行くだろう」は3.85%に減少。「まずまずよい方向に行くだろう」は前回と比べて若干多くなっているが、「全くよい方向には行かないだろう」との回答では、前回を下回っている。

  □ 【中国】中央TV「福原愛ちゃんいじめすぎ」、中国でも批判
 卓球の中国スーパーリーグで活躍する福原愛選手(写真)が、19日に放送された中央電視台(中央テレビ、CCTV)の人気インタビュー番組「面対面」に出演した件に関して、国営新華社は掲示板を設けた。
 インターネットユーザーから寄せられた書き込みでは、意地悪い質問をした司会者に対して批判的な意見が目立つ一方で、福原愛選手に対しては、好意的な意見が多い。
 中国人では、すでに「愛ちゃん」人気が高まりつつある。そのこともあり、司会者・王志に対しては、「ああいったインタビュー手法は好きでない」「まるで犯人を尋問しているみたいだ」「私はマスコミの仕事を長年しているが、よい記者というものは善良な心を持ち、取材相手がどのような立場に立ち、どのような気持ちになるかを考えるものだ」といった書き込みが見られた。
 一方、福原愛選手に対しては「愛すべき少女だ」「日本のスポーツ界には、日本人にだけでなく、世界中から愛される選手が多い。このことが、国際的な日本に対するイメージをよくしている。憎むべき点もあるが、愛すべき点もあるのが日本人だ」などと、好意的な書き込みがほとんどだ。
 ただし、「福原愛も、可愛い少女ではあるが、日本の選手だ。幼い時から世界最強の中国の卓球界で学んだわけだが、将来、世界のトップに立つということがあれば、それは中国が敗れたことを意味する。友好や善意ということは当然のことだが、日本びいきになったりするのはおろかなことだ」といった書き込みも見られる。

   □ <卓球の愛ちゃん>「陶器のお人形さん!」と中国でも人気
 卓球の世界最高峰、中国超級(スーパー)リーグに参加している福原愛選手(16)。試合での活躍もさることながら、その親しみやすいキャラクターが中国でも人気を集めている。冷え込んだ日中関係とは対照的な、愛ちゃんの溶け込みぶりの秘密を探った。【北京・大谷麻由美、五十嵐英美】
 ■「瓷娃娃」 
 「きれいな目と歯、真っ白な肌はほんのり赤く、日本のアニメ主人公のように超かわいい」。中国メディアは福原選手を「瓷娃娃(陶器の人形)」とも呼ぶが、さすがに本人は「日本では誰もそんなふうに呼びません」と困惑顔だ。超級リーグの遼寧省チームに入団し、6月開幕のリーグ戦に出場。チームではシドニー五輪シングルスの金メダリストで世界ランキング3位の王楠(26)、北京五輪のホープと期待される同4位の郭躍(16)両選手に次ぐ同24位で、ダブルス出場が多いものの22日にはシングルスで初勝利を挙げた。
 「実力は他の選手と差がある。試合に出すのは鍛錬のため」。劉彬監督は率直に語る。世界最強の中国卓球界では、愛ちゃんも特別な存在ではない。それでも、愛らしい顔立ちや卓球に対するひたむきで謙虚な姿勢が好印象を与えている。「親善大使」としての役割に期待する中国政府の意向も人気の背景にある。
 ■中国語力
 評判なのが中国語力。日常会話はもちろん、電子メールも中国語だ。福原選手は5歳から中国で練習し、6年前からは遼寧省チームを練習拠点にしてきた。同省出身で家族同然の専属コーチ、湯媛媛さんとの生活で身につけた中国語は、ほぼネーティブのレベル。19日には中国中央テレビの人気インタビュー番組「面対面」に出演し、ボーイフレンドについての質問も軽くかわしてみせた。
 12チームによる2回戦総当たりのリーグ戦が中断する8月まで帰国しない予定だが、広い大陸での過酷な移動日程には苦労している様子。関係者によると、週1、2回ある試合の半分はアウエーで行われるため、電車で12時間の移動があったり、会場や時間がはっきりしないことも珍しくないという。8月20日には同リーグ初の日本開催として、遼寧省・河南省戦が岡山県総社市で計画されている。
 ■王国の余裕も
 人気者の福原選手周辺の「巨大なビジネスチャンス」も中国側には大きな魅力だ。遼寧省チームは福原選手の入団と共に全日空やミズノなどとスポンサー契約。劉彬監督は「今年の広告収入は最高でリーグトップ」と語る。他にもチームの知名度アップなど、愛ちゃん効果は計り知れない。
 ただ、中国側はメリットだけで福原選手を迎えたわけでもない。競技人口3億人といわれる中国卓球界の実力は世界で突出し、国内では「強すぎて面白くない」との声も聞かれる。「世界との実力差が縮まれば試合が楽しめるし卓球振興にも有益」。そう考える中国人には、他国のレベルアップを支援しライバル誕生を期待する余裕もある。
 専門誌「卓球王国」の今野昇編集長は、福原選手の超級リーグ参加について「北京五輪に向けてしっかり修業する考えでしょう。ライバルは中国勢ですから。アテネ五輪を経験し、最近は自分の考えを言うなど選手としてしっかりしてきた。ただ、世界ランキング10位以内の選手に勝つには、さらに力をつける必要があります」と話す。


 日中関係は今が「底」ですか。確かに、昨日のエントリーでも取り上げた天皇皇后両陛下のサイパン行幸に対する中国メディアの反応には、雪斎も思わず頭に血が上った。「これでは、話にならん…」と思った、日中でも最も暗いのは、午前4時前後である。何の良き展望もなさそうな時期が「底」だというのは、その通りだろうとは思う。ただし、「底」だった思った時期の後には、「更なる底」が持ちうけていることがある。雪斎が数ヵ月前に「底」だと思って買った某鉄鋼株が「二段目の底」に突入した時には、流石に青くなった。今は日中関係の「底」なのか、それとも「二段目の底」があるのか。これは、よく判らない。
 「卓球の愛ちゃん」の人気は、中国での対日感情の意味を考えると興味深い。要するに、卓球という中国が余裕を感じている世界に健気にも乗り込んで来た少女というのが、「愛ちゃん」の印象なのであろう。ところで、現代中国は、どのような領域で世界を圧しているのであろうか。この問いに答えようとすると、中々、難しい。中国の「中華思想」は頻繁に指摘されるけれども、現代中国人が何を「誇り」にしているかは、判らない。案外、その「誇り」の根拠となるものは、限られたものでしかないのであろう。そして、そして、その限られた領域が卓球であり、その卓球という領域でこそ、中国の人々は、下位の者に寛大に接しているという自負を感じるができるのであろう。しかし、十七歳くらいの少女が中国の「対日イメージ」を支えているという現状には、ちょっと複雑なものを感じる。「上海料理の修行のために日本から来たアイドル」というのがあればいいと思うけれども、どうもブレイクするとは思われない。結局、「愛ちゃん」のような卓球少女に頼むしかないということなのであろうか。
 個人であれ民族であれ国家であれ、「余裕」のあることは結構なことである。日本政府には「余裕」があるけれども、中国政府には「余裕」はない。結局、国際社会で具体的に何をしてきたかの差であろう。

|

« 中国における「外交感覚」の劣化 | Main | 中露蜜月の幻想 »

「国際情勢」カテゴリの記事

Comments

雪斎さんのブログに毎回書き込んで恐縮なのですが、私は、日中関係は、「パンダが上野に来た」ときが、日中2000年の関係で最高だったと思います。日本の場合、南宋、満州国、台湾など、中国が分裂しているときは、地方政府と対等関係で比較的良好な関係がありますが、統一中国と仲良くなったことはないでしょう。特に、北京と京都の関係は、常に最悪で、断交か従属以外の選択肢はありません。

ということを踏まえますと、あまり、今の北京政府と仲良くしようと考えないほうが精神的によろしいと思います。中国のことはアングロサクソンに任せましょう。アングロサクソンは日本人より合理的に冷徹に自分達のライバルを潰します。「ナポレオン民主思想」「プロイセン神聖ローマ帝国の復活」「大東亜共栄圏構想」「共産思想」と、アングロサクソンの秩序を揺るがす。ポスト民族主義思想には敏感です。その流れの延長に、オーストラリア、カナダでの中国高官連続亡命事件があります。

かならず、中国分裂を仕掛けるでしょう。それに失敗したら、英米300年の覇権は終了し、それこそ、中国がアフリカを含め全世界の教科書に干渉して、英米の過去の軍事行動を糾弾し始めるでしょう。ちょうど日本に現時点で行なっているように。

アングロサクソンは、ある意味で、純朴な中国観をもっているので、いままで中国にだまされていたんでしょうね。それに比べたら日本人のほうが重層的な中国観をもっています。もちろん、日本人には中国に卑屈なほど従属したい勢力もありますが、一方、アングロサクソンが及ばないほど中国の本質と行動がわかる勢力も多くいます。

私は「日中関係は今は底」でなく、「統一中国の永久消滅」を目標に日米が行動すべきだと思いますね。それが中国人民の幸福と世界平和のためですよ。ヨーロッパは分裂しているほうが幸なのと同じですよ。

Posted by: 高田雄二 | July 01, 2005 at 12:27 PM

雪斎さま、

真面目なエントリー、真面目なコメントの後で恐縮なのですが、

>「上海料理の修行のために日本から来たアイドル」

駄目ですかねぇ~。私はいいと思うんですけどねぇ。子持ちバツイチの三十路デュオが小学生女子のアイドルになったりとか、外国では予想も付かないことが起こりますからねぇ。例えば萌えアニメと組み合わせるとか、工夫してなんとかなりませんかねぇ。う~ん。

国家のソフトパワーというヤツはあっても実は使い道はないけれど無いと多分かなり淋しいものであって、日本人はそれを忘れてるんじゃないかと思います。外国との交流の多い中国の新富裕層に妙に排外的な人たちが多い原因の一つは、外国での中国のプレゼンスの不足ではないでしょうか(この要素の過大評価は危険でしょうが)。中国版t.A.T.u.みたいなアイドルが出てきて世界のヒットチャートを席巻したりすればちょっと状況が変わったりするかも。Sonyあたりが取り組んでくれないものか。

Posted by: mitsu | July 01, 2005 at 01:26 PM

2007年になれば、ある程度日中関係は改善されると思います。
北京五輪や上海万博が目前になれば、中国も手荒なことはできないでしょう。
ただ、本当に問題なのは上海万博の後、2011年以降ではないでしょうか?
巨大イベント後の不況をきっかけにして、これまで押さえ込んできた中国国内の矛盾が一気に吹き出すのではと心配しています。

Posted by: Baatarism | July 01, 2005 at 02:43 PM

私も、「愛ちゃん人気」と、「パンダ人気」をオーバーラップして考えていました。別にこれは、「コアラ」人気でも、「エマニエル坊や(?)」人気でも何でもいいのですが。

結論として、「愛ちゃん人気」と、「パンダ人気」の間には、天地の開きがあると思います。

「愛ちゃん」が登場するその昔、「おしん人気」が中国を席巻したしたはずですが、あれはどこにいったのでしょう。「憎い日本人だが、おしんを見て、日本人も相当に苦労していたことがわかった」という、中国人の殊勝なコメントを見た記憶もありますが、そういう感想を述べた人々はどこにいるんでしょうか。

ある民族が他の民族に持つ好感度は、アイドルや人気動物の登場によって上がったり下がったりします。問題は、そういう好感度が国家政策まで反映されるかどうかだと思います。

日本では、「パンダ人気」が中国熱の契機となり得ましたが、それは国民の「中国人気」が政策に反映される体制があったればこそ。だから、中国にとっての「パンダカード」が有効になり、日本の政治、経済の各方面も、「大陸に利がある」と認識し、対中政策が前向きに展開された。(そこから今日の病弊が始まった。)

ひるがえって中国。何億の民衆が何を好もうが、何に熱狂しようが、中南海の咳払いひとつで明日には一瞬で消し飛ぶ体制です。
政治的立場を守るために、「反日に利がある」と指導者が考えれば、何兆円の利権があろうと動かない一党独裁国家です。(結局、その利権は裏の手を使って簒奪されるのですが)

ソフトパワーが有効性を発揮するには、相手のヌシが中共でなくなる必要があります。この前提を考えない限り、福原愛だろうが、飯島愛だろうが、加藤あいだろうが、誰を送り込んでも結果は同じことだと思います。

本当に「日中が底」であるというのは、「中共が底」である時だと思います。「愛ちゃん人気」が政府非公認のものとなってなお、レジスタンスのように「愛ちゃん派解放前線」のようなものがあらわれたら、中共の限界が見えてくる。

「愛ちゃん」はひとつのソフトパワーだと思いますが、このような大衆の嗜好が中共の支配を揺さぶるよう、支那民衆を動かす動きが見えてきたら、本当に「日中は底」なのだと思います。米国などはそういう戦略を視野に入れてきたのではないでしょうか。

米国にできるものは、日本にもできるはずです。ああ、出でよ第2の明石元次郎。情報と謀略で、中共の足元を揺さぶるような賢さを、日本も持ちたいものです。

Posted by: 雪風 | July 01, 2005 at 08:37 PM

今の日支関係が底かと言われれば、それは私も
違うと思います。軍が台湾侵攻の実力を備え次第、
オリンピックも何も関係なしで動くことが予想されま
ます。また、近場では、ワシントンの説得など関係
なしに、北京が我が国の常任理事国入りに拒否
権を行使するのが、目に見えております。

Posted by: おおみや%NEET | July 01, 2005 at 10:22 PM

右翼系なサイトを中心に中国の分裂を期待するような論調がありますが、これは客観条件的に無理でしょう。中国の統一バネは歴史的に見て強力な力学を持っています。まして軍事面も含めた近代の交通手段の発達を考えれば、混乱はあっても統一国家として存続すると観るべきでしょう。分裂する場合は、近年だとユーゴあたりが典型ですが、「俺たちだけなら豊かになれる」として発展地域が離脱するのが通例のパターンです。中国の場合、先進地域も大中国を目指しているという印象があります。
それと、この種の意見の無責任なところは、最低限の交渉すら不可能になった状況の厄介さを無視していることです。例えばルーズニュークの問題一つ取ってみても悪夢でしょう。我々としては、例えば米国やドイツのような洗練された地方自治の仕組みを持つ連邦国家のように、内政では地方の権限を大幅に認めつつ、外交や安全保障面では開明的で管理能力の高い冷静な統一政権として行動してくれるのを期待するのみです。時間のかかる話ではありますが。

Posted by: カワセミ | July 02, 2005 at 12:12 AM

過日大手資産運用会社の方と酒席をご一緒させていただきました。中国市場(株式市場)には5年をサイクルとするアノマリーが存在するそうです。全人代の1~2年前から景気に対する梃入れがされ、その翌年あたりまで3年程度の山が生まれ、その後の2年程度が谷になるそうです。あくまで経験的な事実だとのことですが。

最大手の鉄鋼メーカーの社長さんが、テレビのインタビューを受け、日系の鉄鋼会社の強みは特殊鋼分野であり、一般の鋼材に比べて在庫調整の波を受けにくいとのお考えを披瀝されていました。しかし私が仕事で知遇をいただいた証券の調査関係の方は、いささかこの話に疑問をもたれているとのこと。80年代後半の大相場のとき以来、鉄鋼株にご無沙汰で、有報も見ずに書き込みをしていますので、妄言にすぎませんが、一度中国向けの業績に対する寄与度は精査されてみる価値があるように思います。いかがでしょうか?

By 小規模投資家@にわかアナリスト

Posted by: 小規模投資家 | July 02, 2005 at 01:16 AM

ため池氏のレポートとかぶってましたね。ちょっと欝。

Posted by: 小規模投資家 | July 02, 2005 at 08:03 AM

今日付けの毎日新聞で、雪斎さんの「小泉首相の靖国神社参拝」に関する「論点」を拝見させていただきました。
保坂正康氏の、失礼ながら何を言いたいか良く分からない主張と比較すると、雪斎さんの理路整然とした説得力のあるご主張がより一層際立っているな、と深く感銘を受けた次第です。

「対外関係の円滑な運営に際して、当事国の何れか一方が要請されるという考え方は、かなり不可思議なものではないだろうか」

特にこの論点には、大いに同意する次第です。「あまりにも日本が『配慮』しなければならないウエイトが大きい」という現在の日本にとって「片務的な」日中関係の歪みを、鋭く抉っていると思われます。

Posted by: 藤田 | July 02, 2005 at 12:47 PM

申し訳ありません。
雪斎さんの論点の引用に誤りがありました。

誤「対外関係の円滑な運営に際して、当事国の何れか一方が要請されるという考え方は、かなり不可思議なものではないだろうか」
          ↓
正「対外関係の円滑な運営に際して、当事国の何れか一方の『努力』や『配慮』だけが要請されるという考え方は、かなり不可思議なものではないだろうか」

大変失礼致しました。


 

Posted by: 藤田 | July 02, 2005 at 03:33 PM

・高田雄二殿
・カワセミ殿
・おおみや殿
多分、共産党体制の「今後」をどう考えるかが、かなり大事な問題になるでしょう。拙者は、中国共産党体制の動揺を仕掛ける必要はないけれども、「冷戦」を闘っていく覚悟は要るとおもっています。あの体制を潰した後の「混乱」は、かなり怖いものがあるとおもいますので。
・mitsu殿
・雪風殿
・baatarism殿
日本にきている中国人留学生に「卒業しても、日本に残って仕事をしてください」といったら、「そうですね」という言葉が帰ってきました。「豊かな日本」への憧れの感情は、大事にしてあげるべきだなとおもいます。こうした感情の裏付けになるのも、「ソフト・パワー」ですからね。
・小規模投資家殿
流石に拙者保有の鉄鋼株は重うございます。PER5倍というのは、割安なはずなのですがね・・。
・藤田殿
「毎日」記事をお読み頂き、恐縮です。

Posted by: 雪斎 | July 02, 2005 at 05:12 PM

雪斎さん。

>あの体制を潰した後の「混乱」は、かなり怖いものがあるとおもいますので。

私からみれば、その懸念こそ、中国の術中にはまっているのではないかと思います。ちょうど、北朝鮮が、体制崩壊そのものを脅しに使うように。文化大革命の例をみても、水際で防げばよいだけです。日本には幸い海があります。

歴史を知れば知るほど、中華思想の暴走は日本にとって致命的です。 戦後しばらく日本で間違った歴史教育が行われたせいか、学生運動世代を中心にどうも中華思想の怖さを認識していない世代が多く、それが、民主党や親中派に議席を与えることで、ますます、中国に間違ったメッセージを送っているような気がします。

「中国の分裂は難しい」から妥協しようでなく、「中国の分裂」こそ日本の国策だとして外交政策を立てるべきでしょう。もちろん、政治家がこんな過激げ言動をいちいち公言できないので、一般の有権者がそれを影から支援すべきでしょう。でないと、「天皇廃位」が国策の中国と対等にわたりあっていけないでしょう。

何度も繰り返しますが、歴史を勉強すればするほど、中国2000年の対日外交政策は、「天皇廃位」ですよ。

Posted by: 高田雄二 | July 02, 2005 at 09:13 PM

はじめまして。中国に対して、悪く勘ぐっているということはないのでしょうか?悪くとっているとうまくいく関係も難しくなると思います。
靖国問題や政治家の歴史を反省しない発言など日本側の問題を悔い改めれば中国との関係は良くなると思います。経済的にはお互いに求め合っている関係なのですから。

Posted by: たまま | July 02, 2005 at 10:14 PM

>高田様

分裂を起こさせることが、本当に国益となるか。
以前、石破氏が「分裂は利益にならず」と答えたように、いかに「世界の中で縛る」かが必要だと思います。ケナンのいう「封じ込め」と言えばよいでしょうか。
また、戦前とは比べるべくもないほど日中は経済では補完関係が強いです。(関志雄の「共存共栄の日中経済」)

分裂は、高田様が仰る「海」がある日本だけの問題ではなく陸続きでもあるASEAN諸国などへも強い負荷がかかるでしょう。

それに、「天皇廃位」が中華思想の表れであるとしたら、例え分裂しても「国策」として存続するのではないでしょうか。

Posted by: パックス | July 02, 2005 at 10:43 PM

・高田雄二殿
拙者は、北朝鮮にせよ中国にせよ、体制を潰すという発想には疑義を感じています。無論、勝手に潰れるのであれば止めませんが・・・。
・たまま殿
はじめまして
政治評論をやっていると、「悪く取る」のは習性になるのですよ。貴殿の「善意」が中国に届けばいいのですが…。
・バックス殿
拙者は御説に基本的に同意します。中国が「核」を持ったまま分裂したら、えらいことになります。

Posted by: 雪斎 | July 03, 2005 at 05:54 AM

バックス様

>それに、「天皇廃位」が中華思想の表れであるとしたら、例え分裂しても「国策」として存続するのではないでしょうか。

国策として存続しても、実力として無理です。日中2000年の歴史で、天皇廃位が実力として可能だったのは、60年前と現在です。

雪斎様

>無論、勝手に潰れるのであれば止めませんが・・・。

共産主義体制はいずれ潰れますよ。だから、潰さないように努力している勢力が国内にいるのが問題なのです。他人の毒ガスにまで責任を持ったりして、また、そういう代弁者を毎日のようにマスコミはテレビに出す。ロシアにまで、北方領土占領は、過去の日本の侵略戦争の代償だと言われるします。これは、先日に中露会談で方向転換したのでしょう。

もちろん、中露の蜜月は幻想ですが、対日カードでロシアは利用できるものは利用しますよ。

>中国が「核」を持ったまま分裂したら、えらいことになります。

そうですね。多分内戦で使うと思います。しかし、その理屈なら、日本も核兵器さえもてば、どんなに悪事を働いても体制を保証してもらえるのでしょうか?

Posted by: 高田雄二 | July 04, 2005 at 12:19 PM

>高田様

分裂になんの「利益・国益」があるのか見えてきません。
中共政府が、勝手に崩壊するのは止める必要性もありませんが。

内戦や核を使う、核の流出などを伴う分裂が日本の「利」にかなうかはなはだ疑問でございます。
ASEAN・台湾・日本・米国・韓国・インドと中国を取り巻く経済はかつてのブロック圏のようには動いておりません。

内戦が起き、難民が発生し、核が流出し、ましてや核を使うなんていう状況は、ほとんど「中国と同時に、日本も滅亡」と言っているのと変わらないように見受けられます。

現実的に考えても、封じ込めで十分だと思いますけどね。
分裂法、反日デモで世界は中国をどう見たでしょう。こちらからリアクションを起こさないといけないような必要が発生するような、「歓迎」を受けたのでしょうか。

受けてはおりません。中国は、「怒りの結果は、怒りの原因より重大」という言葉通りの信頼・信用の失墜を重ねているでしょう。

その言葉をこちらが手段としてわざわざ使う必要はないと思われます。

雪斎様のブログですので、ここで一度打ち止めにしておきます。

Posted by: パックス | July 04, 2005 at 06:21 PM

古事記記載のイザナミの神陵があると言われる、山陰の島根県安来市へいったことがありますが、そこは出雲国風土記の伝えるところによると、大穴持(大国主)大神がヤマタノオロチを退治したとあるそうです。しかも、その地の「安来」という名を命名したのがスサノオであるともされています。
 そこは「もののけ姫」で有名になったたたら製鉄が紹介されている和鋼博物館があり、かつてこの地は大規模な古代出雲式製鉄が行われていたときかされました。日本庭園が世界一と言われる足立美術館もこの地にあり、横山大観の神代を題材とした絵には圧倒されました。不思議な大地の力を感じたようでした。

Posted by: 特殊鋼発祥の地をたずねて | June 26, 2007 at 06:15 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/71618/4767880

Listed below are links to weblogs that reference 日中関係は今が「底」か。:

» ウィンブルドン 準決勝が雨で同時スタートに [Star Prince JUGEM]
日本だけでなくイギリスも雨がよく降り4時間待ちの後今シャラポアの試合が第2試合として行われるはずがセンターコートの第1試合になりダベンポートの試合はNO1コートに移動して開始されることになった 眠れずたまたまTVをつけたらこのようなハプニング 日本も東京はいつの間にか月曜まで天気予報に傘マークが 全国中しばらく雨がよく降ることになりそうです 遅い梅雨の到来の間に日中関係よくなるでしょうか 雨降って。。。となるか。... [Read More]

Tracked on July 01, 2005 at 02:44 AM

» 夏学期(13週目:日本人は謝罪して入れ) [残りあと2ヶ月!悲喜交々]
「日本人は謝罪して入れ」 中国のレストランが張り紙 2005年07月11日20時31分(by asahi.com)  中国吉林省の地元紙「城市晩報」は9日、同省吉林市内のレストランが「日本人は謝罪してから中に入れ」との中国語の張り紙を今年3月から店の入り口に張っているとの記事を写真付きで報じた。店側は「日本の客はまず歴史を直視し、中国人に頭を下げるべきだ。さもなければ、いかなるサービスも提供しない」としているという。  店は市中心部にある若者や外国人向けの西洋料理店。張り紙をして以来... [Read More]

Tracked on July 12, 2005 at 01:10 PM

» 中国人は異質の民族 [平太郎独白録 親愛なるアッティクスへ]
戦前、陸軍参謀として中国に駐在経験をお持ちで、兵法研究の第一人者でもありました、故大橋武夫さんが、ある著書の前書きで中国について述べておらるものがあります。 [Read More]

Tracked on July 14, 2005 at 07:25 PM

« 中国における「外交感覚」の劣化 | Main | 中露蜜月の幻想 »