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June 02, 2005

戯言050602

■ 昨日午前、体調に異変が生じ急遽、外出を取り止める。雪斎は、真冬に体調を崩すことはないけれども、何時も六月の「暑くなり始め」の時期に、健康を害することがある。今日も、用心して静養である。

■ 昨日、「衣替え」である。雪斎は、真夏でもネクタイを締めるスタイルは不合理だと思っていた。大体、気温が真夏でも三十度を超えることが滅多にない欧州起源のスタイルを亜熱帯(夏季の東京)でやることの無理には、人々は早々に気付くべきであったと思う。雪斎は、普段はネクタイを締めない生活を続けているので、「ようやく時代が余輩に追い付いた?」.と高笑いをしている。

■ 昨日、雑誌『諸君』が届けられる。特集の中に、日本の政治家、官僚、財界人、言論人を「親米ー反米」、「親中ー反中」の座標軸で仕分けした記事を見つける。担当していたのは、かんべえ殿、宮崎哲弥氏、富坂聡氏である。

 記事中、雪斎がプロットされていたのは、「親米色が明らかに強く、親中ー反中に関しては中性、やや親中の傾向が仄かにある」といった位置である。一読、雪斎は「誠に絶妙な位置だ」と思う。記事中、かんべえ殿が「最近まで誤解していたのですが…」と断りを入れながら、雪斎の位置を論評していたのには、大いに笑ってしまった。雪斎は、『産経新聞』に頻繁に寄稿していた事情から、この記事の中では、「親米・反中」色の極めて濃い「新保守主義者」として分類されるものと思っていた人々が多いのかもしれない。かんべえ殿の「誤解」も、そうしたところにあったのであろう。
 もっとも、雪斎は、「反」の思考で議論を組み立てるのは、実に安易だと思っていた。記事中、いわゆる「保守論壇」の二大巨頭である西部邁氏と西尾幹二氏が、それぞれ明らかな「反米色」、「反中色」を指摘されているのは、「保守論壇」の現状を示唆して興味深い。西尾氏の「反中色」は、歴史認識問題で中国の容喙が余りにも露骨であることへの反発によって、一層、濃厚なものになったようである。扶桑社刊歴史教科書の原点には、そうした反中、反韓、そして反米(岡崎久彦大使が手を入れた新版では、だいぶb払拭されたらしい)の感情がある。平成の「保守論壇」のエネルギーと限界を示すのは、そうした「反」の思考である。
 『中央公論』1月号に掲載した論稿でも示したように、「『反○○』という枠組は、幾多の人々に対して、何らかの正当な政治的、思潮的な立場に依って物事を語っているかのような錯覚を与えやすい」。こうした言論からは、建設的なものはなにも生まれない。雪斎が「保守論壇」から距離を置き始めたと伝えられるのも、雪斎が、そうした「保守論壇」の現状に批判的な論稿を発表しているからであろう。
 その意味では、此度の『諸君』の企画とかんべえ殿の言及には、感謝しなければならないと思っている。因みに、雪斎が雑誌『論座』7月号の「特集/元気を出せ、日本のリベラル派」に寄稿する論稿は、「日本のリベラル派に未来はないのか」(仮題)というものである。一般に保守派と目されてきた雪斎が、「リベラル派の可能性と課題」について論じている。これは一昔前ならば、論壇のスキャンダルになりそうな論稿である。実際、雪斎は、スキャンダラスなことが好きなのである。

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Comments

う、もうチェックされましたか。

ホントはもっと「中西寛、村田、かんべえ」ゾーンに近づけようとしたのに、宮崎さんが「彼は最近、論座に書いたりしているから」と少し離してしまったのです。さすがによく見てますね。

ちなみに「誤解してましたが」というのは、「ブログを始めたことで誤解が解けたんですが」という発言を、編集部で削ってきたものであることを申し添えておきましょう。ブログのよさは、書き手の主張の一貫性が分かりやすいことでありますね。

また、ご指摘どおり、「反・・・」というのは、人を群れさせるには絶好のコンセプトになりますが、オリジナリティという点では問題がありますね。少なくとも「反米かつ反中」では、少なくとも外交はできませんわなあ。

ところでお体をお大事に。今日は午後から雨だそうですね。

Posted by: かんべえ | June 02, 2005 at 09:44 AM

・かんべえ殿
 ありがとうございます。
 流石に宮崎氏の「論客」仕分けも並ではないなと思います。
 ところで、「親米・親中」の知識人は、「非反米・非反中」ということならば、田中明彦先生や五百旗頭真先生は、該当するような気がします。

Posted by: 雪斎 | June 02, 2005 at 11:56 AM

雪斎様:クールビズ運動を、先取りされてたのですね!
「反~」の論調は、読んで溜飲を下げる人は多いかもしれないですが、糾弾ばかりでは雪斎先生ご指摘の通り「裏返しの共産主義者」になってしまいますよね。
「論座」楽しみです♪

かんべえ様:「諸君!」のチャート図、楽しませていただきました☆
友人の名言→「普通の人は、自己評価と人のの評価が多少ずれるものだが、ネオコンと姜尚中ゾーンだけは、自分と他人の評価が完璧に一致する」
野中先生と姜尚中が並んでいるのが、私にはこたえられません(笑)

Posted by: さくら | June 02, 2005 at 07:10 PM

>さくら様
 野中先生の位置ですか....いろんな人がごっちゃ煮に
いて、党内で政権交代もどきができたのが、自民党の
強さだと思うのですか。昨今の自民党はいかに!?

Posted by: おおみや%NEET | June 02, 2005 at 09:12 PM

102頁を見て爆笑してしまいました。まず、チャート式というのが懐かしく、30代から40代をターゲットにしているのがよくわかります。

次に写真。宮崎・富坂両氏の後ろにどどーんと「極悪」かんべえさんが控えてます。まるでお二人がパペットのよう。さらに、111ページで宮崎さんが寺島実郎氏に厳しい評価をしたのに乗じて「…凄いと思うのは、あれだけ発言していて会社(三井物産)に一回も迷惑をかけていないことです。危険な発言をしても、ぎりぎりのところで踏みとどまっていますからね。サラリーマンとして見習いたい」。私も学者としてこのぐらい手の込んだ嫌味を言えるよう見習いたい。イヤミ外相も真っ青でしょう。察するに町村外相はA型ではないでしょうか。かんべえさんがA型なので鉄板だと思うのですが。

「極悪」が「非道」を理解していなかったというのはちょっと意外でした。ふと、維新が生んだ「大奸物」の言葉を思い出しました。

「主義といい、道といって、必ずこれのみと断定するのは、おれは昔から好まない。単に道といっても、道には大小・厚薄・濃淡の差がある。しかるにその一をあげて他を排斥するのは、おれのとらないところだ。・・・もしわが守る所が大道であるなら、他の小道は小道として放っておけばよいではないか。知恵の研究は、棺の蓋をするときに終わるのだ。こういう考えを始終持っていると実におもしろいよ。」

坂の上の雲は遠い。

Posted by: Hache | June 03, 2005 at 02:18 AM

くそー、あなただったのか。うかつだった。このブログのプロフィールすらクリックせずに、長髪の神経質そうな人物を思い浮かべていた。あの和田春樹のような。単行本すら買ってない素人だから、ま、いいか。新聞雑誌だけでなく早速読んでみます。今は、20年前の長谷川慶太郎の時事評論を読み返してる所ですが。

Posted by: 夜回り | June 03, 2005 at 07:18 PM

・さくら殿
 拙者の「親中寄り」プロットには、若干、驚いたのですが、拙者はあれでよかったとおもっています。
・おおみや殿
 その内、またヒート・アップしそうな…。
・Hache殿
 その「大奸物」が、明治の世には旧幕臣の人々の立場を守ることに最も精励したのですな。江藤淳は、「愛されることを諦めた政治的な存在」と評したはずです。
・夜回り殿
 「長髪で神経質そうな人物」…。完全に逆だってば(爆笑)。ま、なにはともあれ、よろしくお願します。

Posted by: 雪斎 | June 04, 2005 at 04:21 PM

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