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May 16, 2005

「赤いシリーズ」復活

■ 今となっては旧聞に属する話であるけれども、1970年代後半にTBS系で放映されていたドラマ・シリーズに「赤いシリーズ」というのがあった。この「赤いシリーズ」が順次、リメークされるのだそうである。この件は、こちらのニュースが詳しく伝えている。


 「赤いシリーズ」を雪斎が視ていたのは、丁度、小学校高学年から中学生くらいの頃である。このシリーズは、山口百恵さんと三浦友和さんのコンビの人気を不動のものにしたのは、よく知られている。
 ただし、雪斎の価値観に現在に至るまで影響を与えているのは、『赤い絆』と『赤い激流』の二作である。
 『赤い絆』は、素朴に「外交官」という仕事が格好良いという印象を残した。山口百恵さんが家出した貧しい家の娘、国広富之さんが相手役の名門出の若き外務官僚、岡まゆみさんが恋敵の資産家令嬢という配役であったと記憶している。今でも強烈に印象に残っているシーンがある。岡さん演ずる令嬢が山口さん演ずる町娘に「あの人と別れてください」とフランス語で言い放ち、彼我の差を実感させられた町娘が寂しそうな表情を浮かべるというシーンである。当時の雪斎は、岡さん演ずる令嬢には、かなり反感を覚えたものであるけれども、自分の家とは及びも付かない「資産家の生活」というものがあるのだと知った。時は流れて、雪斎は、外交官と日常的に接するようになった後、こうした「資産家」のイメージと結び付いた「外交官」像は、やはり一面的なものであると知った。先週のイラクでの邦人拘束事件の折にも、事件発生直後、外務官僚は、就寝中のところを叩き起こされる形で本省に召集され、対応に当たったようである。外務官僚には、厳しい日常があるのである。
 『赤い激流』は、雪斎がクラシック音楽の世界に関心を向ける切っ掛けになった作品であった。水谷豊さん演ずるピアニストの卵が巻き込まれた殺人事件が軸になっていたドラマであったけれども、その中で延々と流れていたのは、課題曲として設定されていたショパンのポロネーズ『英雄』、リストの『ラ・カンパネラ』、ベートーヴェンのピアノソナタ『テンペスト』であった。その後、色々な曲を聴くようになったけれども、ピアノソナタ「テンペスト」は「熱情」と並んで、ベートーヴェン・フリークの雪斎が今でも頻繁に聞く曲である。演奏は、やはりウィルヘルム・バックハウスでしょう。それにしても、ドラマのヒロインを演じていた当時の竹下景子さんは、美しかった。中学生くらいの色気付く頃に得た「綺麗なお姉さん」のイメージというのは、中々、消えないものである。この頃の雪斎にとって、「綺麗なお姉さん」というのは、竹下景子さんと故・夏目雅子さんでしかなかったと思っている。
 こういう話は、今から振り返れば、何と他愛のない話であろうかと思う。しかし、青森・八戸に居た頃、そうしたテレビ・ドラマは、自分の知らない世界に関心を向けさせてくれた。今、放映されているテレビ・ドラマは、後の時代に何を残すのであろうか。

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Comments

私の高校・大学時分はトレンディドラマ・マーケティング優先ドラマが興隆してきました頃。当然のように、何にも心に残りませんでした(笑)
今の若い人たち、キムタクの「エンジン」見て、何を思うんでしょう?それ以前に、ドラマそのものをちゃんと見ているのでしょうか?

Posted by: やすゆき | May 16, 2005 at 12:44 AM

『赤い絆』、『白い巨塔』(テレビ)はいずれも78年ですね。田宮二郎のインパクトが強すぎて、赤いシリーズも見ていたはずなのですが、ほとんど筋を忘れてしまいました。子供の頃は女優さんには目が行かず、存在感のある男優に憧れる傾向が強かったような気がします。最近のドラマをほとんど見ていませんが、昔と比べて女性は強くなったと思います。

Posted by: Hache | May 16, 2005 at 02:15 AM

あまり関係のない雑談になってしまいますが、以前下記URLでお話しした『アストロ球団』もテレビアニメとして復活するそうですね。
http://blog.goo.ne.jp/junyastone/e/068f9727bdec11e6a4d94a13116ceb70
こないだプロ野球中継を見たら、CMが入るときにアストロ超人の絵がカットインしてびっくりしました。

Posted by: やじゅん | May 17, 2005 at 12:22 AM

私はベートーヴェン弾きとしてはギレリスを贔屓してるのですが、この「テンペスト」に限ればバックハウスの方が良いと思います。そしてベートーヴェンの全集としてならやはり随一のものか。ただテンペストの演奏で一番好きなのはリヒテルなんですよね。雪斎さんだとロマン的に過ぎると言い出しそうにも思えるが(笑)しかし堅固にして高雅かつ詩的ではある。

Posted by: カワセミ | May 19, 2005 at 08:08 PM

・やすゆき
近年のドラマで印象深かったのは、佐藤浩市主演の『天国への階段』ですが、なにぶん一般受けしなかったと聞いています。
・hache殿
その点、拙者は「綺麗なお姉さん」が好きだった。何という子供だったのでしょう。

・やじゅん殿
「アストロ球団」も復活ですか…(絶句)。
・カワセミ殿
うーん。;拙者は、どうしてもバックハウスに走ってしまうのですな。だから、協奏曲も、バックハウス&クレンペラーなのです。もっとも、ポリーニ&ベームというのもありますが・・。

Posted by: 雪斎 | May 21, 2005 at 01:03 AM

おやおや、まぁ合わせもので偶然なのでしょうが、クレンペラーとベームは雪斎さんの好きそうな指揮者として真っ先に連想してました。
良質な伝統を引き継ぐことを誇りとするような、政治的立場と同期しているように思えなくも無く。:-)

Posted by: カワセミ | May 23, 2005 at 11:01 PM

・カワセミ殿
ベートーヴェン交響曲だと全集を持っているのは、オットー・クレンペラー&フィルハーモニアo、レナード・バーンスタイン&ウィーンpo、小沢征爾&サイトウ・キネンoです。やはり、クレンペラーですかな。
カール・ベームは、ウィーンを振ったブラームスを聞いています。

Posted by: 雪斎 | May 24, 2005 at 02:51 AM

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