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May 24, 2005

嗚呼、「蛮カラ」の日々よ。

■ 昨日午前零時過ぎに『NHKアーカイブス』の枠内で放映されたのは、「東北アワー『バンカラ街道80キロ ~福岡高校応援団の25時間~』」であった。誠に懐かしさを感じさせる番組であった。というのも、雪斎の母校、青森県立八戸高校の応援団も、そうした「蛮カラ」の伝統に連なるものであったからである。「蛮カラ」が、どういうものかは、こちらの八戸高校OBによるサイトが丁寧に伝えている。何故か、今でも奥州旧南部藩領内の高校には、そうした「古き良き」気風が残っている。口さがない連中は、「生きた化石」と評するのかもしれないけれども、雪斎にとっては、それは「古き良き」気風以外の何物でもない。

 「蛮カラ」の本家は、盛岡第一高校である。盛岡一高といえば、校歌のメロディーが「軍艦マーチ」であることで知られているけれども、その応援団も堂に入っている。因みに、八戸高校の応援のパターンの一つに、「八高名物、烏賊踊り」というのがある。応援団員が烏賊を模った木の板を持ちながら、東京農業大学の「大根踊り」に似たスタイルで、「軍艦マーチ」のメロディーに踊るわけである。昔、「甲子園」予選県大会の折に、NHKは、「烏賊踊り」が始まると、野球中継そっちのけで、「烏賊踊り」を映し出していたことがあった。二十数年前でも、「蛮カラ」の世界は、「絶滅危惧種」といはいわないまでも、「稀少種」であったのは、間違いない。実際、「NHKアーカイブス」が紹介した福岡高校の「蛮カラ」は、既に絶滅したのだそうである。
 往時、雪斎は、応援団員ではなかったけれでおも、こういう気風が好きであった。こういう志向は、雪斎には「時代への反逆」の気分を満たしてくれたのである。
 ところで、前に紹介した八戸高校OBのサイトでは、「こうした連中の目指す大学って、どこでしょう?こりゃひとつしかありませんね。北大です。なぜなら、そこには『恵迪寮』(今は取り壊されてなくなりました)という変人の巣窟がありましたから」という記述があるけれども、実際には雪斎の同期で北大に進学したのは、数名に過ぎなかった。しかも、応援団関係者は、いなかったはずである。八戸は、「寒冷の地」であるから、そこを巣立った若者の大勢は、東京、仙台、盛岡、弘前に出て行く。雪斎のように、わざわざ、「もっと寒いところ」に出て行く奇特な奴は、いないのである。今から、振り返れば、「本当に馬鹿なことばかりをやった…」と率直に思う。雪斎は、その精神において「蛮カラ」の信奉者だったのである。
 故に、今でも、「周りが考えていることの逆をやってやれ」という想いは、消えずに残っている。「時流に流されない」というのは、実は格好よいことだと思うのだが、どうであろうか。

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「日々の戯言」カテゴリの記事

Comments

バンカラと野球部とは遠巻きに見てる分には良いけど、近くにいられると甚だ迷惑というのが、私の高校大学時代の感想でした。ずっと体育会にいたのに結局なじめなかった…。

これが個人の性格や相性の差によるものなのかどうか、しかとは図りかねておりますが、ある人からネットで権威主義者と呼ばれたこともあるし、どうにも天の邪鬼になりきれない自分も知っているので、性格の差なのかなぁというのが今のところの結論です。

話は飛んで、立命館だったと思いますが、外国人留学生が博士論文の題材として大学の応援団を選んでおり、その要旨を読んだことがあります。要旨自体は大して興味を引く物ではありませんでしたが、確かに外国人には研究意欲が湧く素材かも知れません。

Posted by: 中山 | May 24, 2005 at 03:51 AM

はじめて書き込みいたします。ishiteと申します。
今年の3月頃からこちらのBLOGを読ませて頂いています。
私も八戸高校-北海道大卒ですので、このエントリーをみて大変驚いてしまいました。
自分の代では八高応援団は、3名にまで減ってしまっていたのですが、今では女子部員までいるようですね。
当時の自分はあまりなじめなかったのですが、今では彼らの存在をとても好ましく考えています。八高の誇りですね。

「時流に流されない」≒「周囲に惑わされない」ことは、自分も常日頃考え、実行しているつもりですが、孤立することも多くなかなか難しいことですね。

(ご存じだとは思いますが)恵迪寮は立て替えしましたが、今でもありますよー。

Posted by: ishite | May 24, 2005 at 09:25 AM

・中山殿
「蛮カラ」は「ハイカラ」の対抗概念ですから、外国人の日本研究の題材になっても、おかしくないと思います。それにしても、不思議なのは、、何故、これが旧南部藩領内に残っているのかということですね。

・ishite殿
はじめまして。
建て替え前の恵迪寮では、冬場に二階から飛び降りる「雪中ジャンプ大会」をやっていたのですが、いまでもやっているでしょうか。
懐かしいですね。
また、いらしてください。

Posted by: 雪斎 | May 25, 2005 at 04:18 AM

をを、懐かしきわが母校の名が雪斎先生のblogに!!
もちろん、その校歌は今でも4番までフルコーラスで
歌えます(^-^)
おそらくわが母校のこのスタイルが何らかの理由で
守られているので、旧南部領内(伊達領内でも岩手県
なら----ex.関高あたり)でこのスタイルが守られている
のだと思います。一OBとしては、そのときの生徒の
意向にお任せしたいところなのですが、何せ「伝統」
なるものが彼等の肩に重くのしかかってますから。

Posted by: おおみや%NEET | May 25, 2005 at 11:40 PM

・おおみや殿
青森でも「蛮カラ」スタイルがあるのは、八戸くらいなのですな。あの水沢の「インディアン踊り」も凄まじいものがあります。是非、盛岡一高校歌ともども、甲子園で見たいものです。

Posted by: 雪斎 | May 26, 2005 at 03:45 AM

私は毎春・秋の週末に神宮球場へ
東京六大学野球を見に行くのが
習慣になっているのですが、
野球だけではなく、応援団(応援指導部)
を見るのも楽しみの1つになっています。

「蛮カラ」イメージの強い応援団ですが
今年の東大体育会応援部の主将と
立大体育会応援団の団長は共に
帰国子女です。
http://www.rikkyo.ne.jp/sgrp/endan/leader-kanbu.html
http://www.todai-ouen.com/h17kanbu.html

また、東北大学の応援団団長は
女性(2年生)
http://bbs2.ardor.jp/?0207/en
であり、
東京六大学でも
今年、法大に女性としては
東京六大学史上初の副団長
http://www.hosei-endan.com/syokai/index2.htm
が誕生し、今季のリーグ戦では3度、
7回のエール交換の際に
校歌を披露しました。
http://www.hosei-endan.com/aisatu.htm

下記のサイトは東京六大学の応援団を
10年以上追い続けている、
自称「応援写真家」の方のサイトです。
http://big6.jp/
本人は慶應OBです。

Posted by: 山形出身の東京都民 | May 27, 2005 at 02:21 AM

・山形出身東京都民殿
いやはや。ここまでの御教示、痛み入ります。
昔、大学応援団となると、「日本寮歌祭」のイメージだったのですが、今もやっているのでしょうか。時代は移り変わっているようですね。

Posted by: 雪斎 | May 29, 2005 at 03:45 AM

東京六大学野球の春秋リーグ戦では、
東大は3回の攻撃の応援に入る際に
第一高等学校寮歌
「嗚呼玉杯に花受けて」
を歌うのが定番になっています。

また、11月に
東京大学運動会応援部が
1年間の集大成を披露する
「淡青祭」
http://www.todai-ouen.com/2004/tan29_2004.html
というステージがあるのですが、
そこでは「嗚呼玉杯~」の他にも
第一高等学校寮歌
「新墾の此の丘の上」
という寮歌も歌われます。

Posted by: 山形出身の東京都民 | May 31, 2005 at 01:46 AM

・山形出身東京都民殿
「嗚呼玉杯」は拙者も好きな寮歌です。因みに北大は「都ぞ弥生」ですが、どちらも拙者には思い入れがあります。東大と北大の二つに籍を置けてよかったことの最たるものは、「日本三大寮歌」」の二つまでを自分のものにすることができたことだと思っています。

Posted by: 雪斎 | May 31, 2005 at 03:33 AM

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