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April 11, 2005

中国の「反日」騒動、真打登場!!

■ 先頃まで韓国での「反日」騒動を論じてきたけれども、今週は中国での「反日」騒動を考えることに忙しくなりそうである。「いよいよ、真打、登場か」といった趣きである。「反日」騒動が起こったのは、北京、広州、上海といった都市であり、北京では「天安門事件」以来の一万人規模のデモになったようである。

 「中国の皆さん。もっとやってください」。現地に在住する外交官、企業関係者、留学生の方々には申し訳ないけれども、雪斎は率直にそのように思う。こういう騒動の模様や中国政府の対応は、メディアを通じて全世界に伝わる。「他国の在外公館に対する破壊活動を制止する」というのは、国際常識の一つであるけれども、そうした常識を弁えていない中国政府の印象だけが、残ることになるであろう。その結果、現在の中国政府の国際的な評判は、早晩、失墜する。こちらから表立った手を下さず、他の国々が「自分で自分の首を絞めている」姿を冷徹に観察するのは、「封じ込め」戦略の根本の姿勢である。此度の「反日」騒動に際しては、我が国は、別段、中国を意識して感情を昂らせる必要もない。国際常識上、合理的と認められることを粛々と進めればよいだけのことである。昨日、町村信孝外務大臣は、王毅大使を呼んで厳重抗議をした上で、「謝罪と損害賠償」を要求したけれども、こうした姿勢は、「常識の範囲内」の振る舞いでしかない。
 それにしても、こういう時期は、我が国にとっては逆に「機会」を意味しているかもしれない。今までは対中関係を配慮して様々なことが手控えられてきたわけであるけれども、そうした配慮を一旦、脇に置いて我が国の「国益」に照らし合わせて何をしなければならないかを考えるには、今は格好の時期になっている。「関係が悪くなっている時期」であればこそ、出来ることもある。そうしたチキン・ゲームをやる度胸も、外交の最前線では必要であろう。東シナ海でのガス田開発、尖閣諸島での灯台設置、沖ノ鳥島の防護、台湾要人の非公式招聘…、中国が嫌がるネタは、幾らでもある。
 後は、小泉純一郎総理には、涼しい顔で次のように語ってもらえれば、十分である。
 「日中友好の大本を見失わないようにしなければなりませんな…」。
 雪斎も、日中友好の大本を見失っていませんよ。只今、雪斎の部屋でBGMとして流しているのは、ウェイウェイー・ウーの二胡の演奏である。日本であれ中国であれ、「美しい」ことは、前提抜きに素晴らしい。

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Comments

あらあら、以外にemotionalな反応をされていますね(異論はありませんが。苦笑)。
私など、中国政府が公式に騒乱への関与を否定されるのであれば、本邦の政権の高位の方に、「在留邦人の安全と資産の保全のこともあるので、貴国政府に治安維持・当事者能力がないのであれば、その旨率直にお伝えいただきたい」とでも、公式に発言してもらいたいと思っています。(性格、悪いかなあ?)
ただうちで教えている中国人留学生は、とても大人といいましょうか、冷静な判断をしているようです。念のため付け加えます。

Posted by: 小規模投資家 | April 11, 2005 at 12:50 PM

>小規模投資家殿
 「emotionalな反応」ですか。もっとも、拙者は、若い時分には、「瞬間湯沸し器」と仇名されたくらい短気な男でしたので、時折、その名残が顔を出すことがありますかな(苦笑)。
拙者も、中国人留学生には「日本を楽しもう」と伝えてあります。

Posted by: 雪斎 | April 11, 2005 at 01:57 PM

失礼しました。
"China Riskの定性的、定量的把握"などというテーマで科研費を申請される猛者はどこかの大学においでにならないものでしょうか?(残念ながら、私はその任に堪えません。)

Posted by: 小規模投資家 | April 11, 2005 at 08:13 PM

>小規模投資家殿
 拙者も無理ですな。生憎、拙者は中国事情を専門としておりませんので。

Posted by: 雪斎 | April 12, 2005 at 11:21 AM

思ったより、普通の人の反応が冷淡なので驚きました。日本政府にも非があるという主張は軽蔑に値するという感じです。粗野な中国政府にたいする批判は皆無です。主として30代で定職についていて特定の政治信条をもたない人の反応がこれです。私は個人間の関係でこのような視線に耐えられそうにないです。

今回の件で日本人が売り言葉に買い言葉なら、中国政府としては悪くない結果なのでしょう。しかし、彼らがえたのは軽蔑の念のようです。もちろん、日本人全体の世論は誰にもわからない。あくまで仮定の話にすぎませんが、中国政府の対応が日本人の軽蔑をかっただけだけだとしたら、今後、日中の交渉で中国政府がはらわなければならない代償は非常に高くなるでしょう。私は、中国とは縁が薄い人間ですが、中国政府に近い立場なら、中国国内の反発を用心深く抑えながら、謝罪と賠償を体面を保つ範囲で行うことを勧めるでしょう。

Posted by: Hache | April 13, 2005 at 12:05 AM

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