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March 02, 2005

『愛の流刑地』って…

■ かんべえ殿のところのサイトでは、日本経済新聞に連載されている渡辺淳一氏の小説『愛の流刑地』が紹介されている。今では、「あいるけ」という新語が登場しているのだそうである。振り返れば、十年前、世が「失楽園ブーム」の最中にあった頃、「日経というクォリティ・ペーパーに、ああいうポルノもどきを載せるとは何事か…」と激怒した
友人がいた。その友人は、「俺は渡辺淳一を南高OBとは認めぬ」とも口走った。彼は、雪斎の北海道大学時代の同期にして札幌南高校出身、渡辺淳一氏の後輩に当たる。品行方正を絵に描いたような男だった。

 雪斎が渡辺淳一氏の小説でまともに呼んだことがあるのは、氏の札幌医科大学時代に題材を採ったとされる『白夜』と札幌南高校時代の級友をモデルにしたとされる『阿寒に果つ』である。確かに、雪斎も、これらの作品が生まれた土地の雰囲気を札幌で共有していたのである。
ところで、『化身』と『失楽園』は、両方とも映画化されている。映画版『化身』は、東陽一監督の手になるものであるけれども、映画版『失楽園』は、森田芳光監督の手になるものである。そして、この両方の作品でヒロインを演じていたのが、黒木瞳さんである。黒木さんにとっては、1986年公開の映画『化身』は、前年の宝塚退団以後、映画出演第一作であった。筋書きは、『マイ・フェア・レディ』や谷崎潤一郎の『痴人の愛』にもあるテイストである。「男のやることは、昔から、そう変わらない」と思わせるものである。
 ここで、ふと考える。『愛の流刑地』を映画化するとしたら、誰と誰の組み合わせで製作するのだろうか。かんべえ殿が紹介する記事によれば、「物語の主人公はかつては新人賞を獲得した小説家だが、その後鳴かず飛ばずの状態となり、現在は週刊誌のアンカーマンや大学の非常勤講師をしている55歳の村尾菊治。彼のファンだという主婦・入江冬香」だそうで、さらに調べると、ヒロインの冬香は、36歳という設定である。まさか、『失楽園』の時の「役所広司・黒木瞳」の組み合わせで、もう一回、やるのだろうか。雪斎は、それはやって欲しくないなという気がする。
 因みに、雪斎は、学生の頃から、「好きな女優は…」と聞かれれば、「黒木瞳」と答えていた。最近は、テレビ画面で頻繁に登場しているので、「ありがたみ」が薄れてきている嫌いがなきにしもあらずといったところであるけれども、最初に黒木さんの存在を知ったときの衝撃は、相当なものであった。
 話は替るけれども、『化身』で黒木さんの相手役だったのは、藤竜也さんである。藤さん自体は、精悍で格好良い俳優という印象があるけれども、その藤さんの劇中の肩書きは、「大学教授・文芸評論家」である。今、雪斎も社会的には似たような肩書きを付けて活動している手前、この映画の設定を思い起こすに付け、「当時の大学教授・文芸評論家というのは、高級クラブに通えるぐらいカネを儲けていたのか…」と素朴に思う。学者・知識人などというのは、今では「カネ」にならない商売の典型である。誠に残念な現実ではある。

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Comments

黒木瞳はかんべえもご贔屓の女優です。つくづく趣味が似てますね。

『あいるけ』はこの先、「進化する冬香に振り回される主人公」という筋書きになると思います。まだちょっと女優さんのイメージを固めるには早いような気がしますね。

Posted by: かん | March 02, 2005 at 09:47 AM

>かんべえ殿
 恐縮です。よくよく考えてみれば、拙者が贔屓にしている女優は、大概、宝塚出身ですね。黒木瞳さんは、かんべえ殿と同い年くらいかと思いますけれども、それより年少だと一路真輝さんが入ってくる。
 「宝塚」というのも、なかなか厳しい世界だそうです。少し前まで「モデル」をやっていただけの人がテレビに出るようになって「私は女優よ」というのとは、ワケが違うようですね。

Posted by: 雪斎 | March 02, 2005 at 02:31 PM

 最後の二文にしみじみしました。貧乏だというだけで本業での能力を疑われかねないだけにしみじみいたします。

Posted by: Hache | March 02, 2005 at 05:40 PM

Hache殿
「続」も御覧下さい。

Posted by: 雪斎 | March 03, 2005 at 02:38 AM

こんにちは。初めて投稿させていただきます。
私も日経新聞購読者の一人ですが、何気なく44面を見て「愛の流刑地」にたまたま目がいき、びっくりしました。イラストがかなりエロい・・後からジワジワと来る・下手なポルノ本よりもよっぽどエロく感じました。
しかも権威があり社会人向けのまじめな日経新聞にあのような妖艶なイラストをのせてもいいのかと思いました。まじめな経済情報とポルノ小説が同居しているギャップにも当惑しています・・(5/13朝刊のイラスト・・です・・)
「私は、日経を摂っている・・」なんてCMやっていますが、エコノミックサプリメントと+αとしてエロサプリメントも若干摂れますよね(笑)・・・

Posted by: toshi | May 14, 2005 at 12:56 AM

・ toshi殿
はじめまして。
ただし、こういう現状が「性」に関してはおおらかな(だらしない)日本人というイメージを助長させているのかもしれませんね。拙者は、日経にああいう小説を載せるのは…と思います。「秘すれば花」という言葉もあるはずなのですけれど…。

Posted by: 雪斎 | May 14, 2005 at 03:42 PM

渡辺淳一は70歳を超えているはず。いつまで猥褻小説を散布すれば気が済むのだろうか。
早く耄碌してもらいたいものだ。

Posted by: mountendog | July 17, 2005 at 06:14 AM

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