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March 23, 2005

国連安保理再編とアフリカの「二枠」

■ 三月二十二日付『共同通信』電は、「日本は常任理入り有力 6カ国増ならと国連総長」の見出しで次の記事を配信した。
 

【ニューヨーク21日共同】国連のアナン事務総長は21日午前(日本時間22日未明)、国連改革に関する勧告をめぐり記者会見し、焦点の安全保障理事会拡大について、事務総長が勧告で示した2案のうち加盟国が常任理事国の6カ国増加で合意した場合には「アジア地域の割り当て2カ国のうち1つはもちろん日本に行く」との見通しを明らかにした。
 加盟国間の利害が対立している安保理拡大問題で、事務総長が具体的な国名を挙げるのは極めて異例で、外交筋によると、日本に直接言及したのは今回が初めて。
 事務総長は会見後、報道官を通じ「決断を下す加盟国の権利を封じる意図はなかった」と釈明する声明を出した。同案に反対する諸国からの“越権行為”との批判を避けるためとみられる。

 国連安保理再編の結果、常任理事国枠が六つ増えるのであれば、その内の四つは、日本、ドイツ、インド、ブラジルによって占められるというのは、余りにも平凡な展望である。事実、この四ヶ国は、常任理事国入りを目指して共同戦線を張っている。問題は、六ヵ国拡大案を支持し、その結果として常任理事国枠を二つ手に入れることになるかもしれないアフリカ諸国は、具体的にどこが席を占めるのかということである。
 アフリカの有力国といえば、エジプト、ナイジェリア、南アフリカ、タンザニア、ケニアといった国々の名前が挙がるであろう。無論、この二ヵ国の絞り込みは、アフリカ連合主導で行われるのであろうから、我が国としては、そうした動きを見守るより他はない。アフリカ連合は、日本の常任理事国入りへの支持を表明しているのであるから、我が国もまた、アフリカ連合を尊重しなければならないのである。
 ただし、雪斎は、もし、アフリカの二つの枠を占めるのが「エジプト・南アフリカ」という組み合わせになるとすれば、内心、それを期待しつつも、少し嫌だなという気がする。インド、エジプト、南アフリカという三つの国々の名前は、高等学校の世界史の教科書にも登場する「カルカッタ―カイロ―ケープ・タウン」の大英帝国「3C政策」を思い起こす。これに大英帝国の同盟国であった日本が加われば、アングロ・サクソン世界は、自分に「縁」のある四つの国々を安保理に常任理事国として迎え入れ、常任理事国全体の過半数を押さえることができるようになる。英国の覇権が米国の覇権に替ったのが二十世紀の世界史であったけれども、二十一世紀の世界では、覇権の構図はどのようになるのであろうか。案外、アフリカの「二枠」の動向は、そうしたことを占う上では興味深いものであるように思われる。
 もっとも、これは、雪斎の「妄想」である。ただし、国連安保理再編という舞台の上でも、英米両国の政治指導層が、このような「覇権の維持」の青写真を描いているかもしれないと想像するのは、率直に楽しいことである。

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