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February 16, 2005

日々の戯言050216 「ホリエモン」他

■ 一昨日の当ブログでは、ライブドアの堀江貴文氏、「ホリエモン」さんのことに言及した。ホリエモンさんが資金の調達した「転換社債」は、正確には「下方修正条件付転換社債」と呼び、自社の株価が下がれば下がるほど「自分の首を絞める」結果を招くものなのだそうである。一昨日と昨日、ライブドアの株価は、それぞれ9%、10%と続落した。かなり、やばい状況になっているのではなかろうか。

 今回の話は、ライブドアとフジ・サンケイ・グループの全面戦争に発展したようである。確かに、「ホリエモン」さんが時間外取引という奇策ででニッポン放送株を取得し、フジ・サンケイ・グループとの提携を打診したのは、乱暴だったという他はない。それは、いきなり女性の眼の前に札束をちらつかせて、「抱かせろ」と迫っているようなものである。日枝久会長以下、フジ・サンケイ・グループ関係の人々が激怒するのも、当然のことなのである。
 フジ・サンケイ・グループは、昔日、鹿内信隆・春雄両氏の「個人支配」の下に置かれていたメディア・グループだった。現在のグループ経営陣は、そのような鹿内一族の「個人支配」体制を終焉に追い込むことに尽力した人々である。「ホリエモン」さんのスタイルは、フジ・サンケイ・グループ首脳陣には、かっての「鹿内時代」の「苦い記憶」を呼び起こすのに充分であったと思われる。今のグループのトップは、フジテレビの日枝会長だが、前は産経新聞の羽佐間重彰相談役だった。グループ内ではフジテレビの影響力が大きいのは衆目の一致するところであるけれども、長らくグループのトップが羽佐間相談役であったことに伺い知られるように、グループの運営に際して「個人の専断」が生ずる余地は出来るだけ排除されてきたのである。
 このように考えてみれば、「ホリエモン」さんは、「最もやってはいけない相手」に対して「最もやってはいけない手法」で提携を持ちかけたことになる。かって、「うつけ」と呼ばれた若き日の織田信長は、齋藤道三との対面の折には威儀を正した姿で臨み、道三の度肝を抜いた。戦国モノのドラマや映画では、繰り返し演じられてきたシーンである。若い人々にとっては、織田信長は「旧秩序を壊したヒーロー」かもしれないけれども、信長ですら、「旧世代」の人々の共感を得ようと思えば、そうしたことを平気でやったのである。「ホリエモン」さんには、基本的に、そうした故事を顧慮するだけの歴史的な素養も政治的な感覚も備わっていなかったのであろうか。
 雪斎は、フジ・サンケイ・グループとは「縁」が深い。雪斎は、グループが五年前に創設した「正論新風賞」の第一回目のタイトル・ホルダーである。評論・文藝の世界では、芥川賞、小林秀雄賞、山本七平賞、大仏次郎賞といったように「個人名」を冠した賞を運営するメディアが多い中で、このグループだけは、そのような賞を運営することはないのであろう。そうした経緯を以前、雪斎は聞いたことがある。フジ・サンケイ・グループの「性格」を象徴する話である。

■ 昨日、日本プレス・センターで新聞記者OBの方々を前にして講演する。聞くところに依れば、前回の講師は、松野頼三氏だったそうな。参集された方々の平均年齢は、七十五歳超とか。こういうのは、流石に、びびる。

■ 昨日、ライブドア株式のホルダーにとっては「地獄」であったかもしれないけれども、中国市場関連の大手鉄鋼会社株のホルダーである雪斎にとっては、「天国」であった。こういうことをやっていれば、対中「感情」と対中「利害」が別であることを痛切に実感する。只今午前六時、今日の相場は、どうなることやら…。

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