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January 18, 2005

アンソニー・サンプソンのこと

 ■ 昨年末、アンソニー・サンプソンが逝去した。『毎日新聞』に載った訃報は、次の通りである。

 アンソニー・サンプソンさん(英作家、ジャーナリスト).。英インディペンデント紙によると、18日夜、英国内の自宅で死去、78歳。南アフリカ通信は死因は心臓発作と伝えた。
 1926年、英ダラム州生まれ。オックスフォード大を卒業後、51年に南アフリカに渡り、週刊誌の編集者になり、反アパルトヘイト(人種隔離)活動家のマンデラ氏(後に南ア大統領)らと親交を結んだ。
 55年からは英オブザーバー紙などに勤務し、幅広いテーマで執筆。国際石油資本を取材した「セブン・シスターズ」(75年)、国際的な武器取引の内幕を描いた「兵器市場」(77年)などが代表作。マンデラ氏から執筆依頼された同氏の伝記は99年に出版された。
 晩年は週1回、インディペンデント紙のコラムを執筆。イラク戦争前にはロンドンでの反戦の大デモ行進に参加した。
 (共同)
 毎日新聞 2004年12月20日 12時12分

 雪斎は、大学院生時代、サンプソンの著作を熱心に読んでいた。中でも印象深かったのは、次の四作である。
 1、The Seven Sisters: the Great Oil Companies and the World They Made.
 2、The Arms Bazaar: From Lebanon to Lockheed
 3、Black and Gold
 4、The Midas Touch: Understanding thBlack and Golde Dynamic New Money Societies Around Us
 これらの著書に絡むキー・ワードは、「石油」、「武器」、「ゴールド」、「マネー」である。①は、エッソ、ガルフやモービルといった「国際石油資本」七社の話、②は、アドナン・カショーギのような武器商人が暗躍する「兵器市場」の話。③は、南アフリカにおける「アパルトヘイト」と「金鉱産業」の話。④は、「人間」と「マネー」の話である。
 サンプソンを読み始めた当初、「なんでぇ、落合信彦は、これの二番煎じかよ…」と思った。それは、ともかくとして、こういう書は、国際政治の「裏」で動くものに対する感覚を養ってくれた。「石油」、「武器」、「ゴールド」、「マネー」は、それを手掛けた人々に対して、巨大な利得をもたらし。その利得の巨大さ故に、それを手掛ける人々の「欲望」は、それぞれの国々の政治の動向も左右することがある。田中角栄が逮捕されたロッキード事件にしても、②に描き出された「兵器市場」の様子に触れてみれば、たんなる「贈収賄」という域に止まらない底の深さが感じられる。「政治」に関して何も驚くことはないと教えてくれたのが、この一連の著作であった。
 ところで、今、読み始めたのが、米国で投資顧問会社を経営するピーター・バーンスタインの著書『ゴールドー金と人間の文明史』である。いやはや、アングロ・サクソン系&ユダヤ系は、やることが壮大ですな。「歴史」と「経済」の知識が融合した話に触れるのは、なかなか楽しいものがある。吉田茂の「商人的国際政治観」に影響を受けた雪斎は、この世界が好きなようである。

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Comments

アンソニー・サンプソンさん、亡くなりましたか.雪斎さまが挙げられた本も面白かったけど、私が昔読んだもので「イギリスの解剖」「ヨーロッパの解剖」というのがおもしろかったですなあ.EU(当時はまだEC)は将来合衆国のようになるかもしれないってなことが書かれてあったけど、今にして思えば鋭いですねえ.合掌.

Posted by: M.N生 | January 19, 2005 at 09:12 AM

>M.N生殿
「英国の解剖」は、書名を知ってはいても、結局は読み逃してしまっていた書でした。なるほど、ご指摘のようなことが書かれていたのですか。それならば、機会を見つけて、読んでみることにしましょう。ご教示、多謝に存じます。

Posted by: 雪斎 | January 21, 2005 at 07:51 PM

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